管理人のイエイリです。
建設業界で幅広く使われているAutoCADの次期バージョン、AutoCAD 2013の記者発表会が昨日(2/16)、東京・晴海のオートデスク本社で開催されました。
AutoCADは1982年に発売され、今年は「30歳」の大台に乗りました。それでも、進化を続けています。今回のバージョンアップの目玉は、クラウドコンピューティングとの連携強化と言えるでしょう。
iPadやiPhoneには、クラウドを通じて自分のパソコンと連絡先や写真などのデータ同期を行う「iCloud」というサービスがありますが、AutoCADでも、それと同じような利便性を目指しています。
AutoCADの図面ファイルのほか、ショートカットやメニュー配置、背景などの設定を
ほかのパソコンと自動同期
できる機能が搭載されたのです。
そのため、自分が使いやすいように設定した画面やショートカットなどの環境を、出張先のパソコンでもクラウドから「復元」してすぐに使えます。そして、出張が終わったら、もとの設定に戻しておくことも簡単です。
AutoCADとクラウドサービスとの統合イメージ(資料:オートデスク) |
このほか、AutoCAD 2013では、3Dモデルと図面の寸法線、注釈の自動連動や、同じ図形を等間隔で配置する配列複写機能の強化などが行われる予定です。
見逃せないのがAutoCADのクラウド版フリーソフトの「AutoCAD WS」です。2010年の公開以来、少しずつ機能が強化されていますが、近くリリースされる次期バージョンでは、
ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、
GPSとの連動や3D表示
が可能になるのです。
AutoCAD WSの機能強化イメージ(資料:オートデスク) |
iPadを使ってデモンストレーションを行うオートデスクの伊勢崎俊明さん(写真:家入龍太) |
例えば、iPadでAutoCAD WSを起動させ、現場の平面図を表示させておくと、現在の自分の位置が地図上でもすぐに分かります。測量のポイントやマンホールなどを探すときのナビゲーションにも役立ちそうですね。
GPSでAutoCAD WSの図面上に現在位置を表示する機能(資料:オートデスク) |
また、3D表示機能を使うと、AutoCADで作成した3次元モデルをワイヤフレームやソリッドのイメージで見ることができます。これらの機能は、iPadやアンドロイド端末上で動く「AutoCAD WS Mobile」のみで提供されます。
3Dモデルのワイヤフレーム(左)とソリッドイメージ(右)の表示(資料:オートデスク) |
AutoCAD WSができたとき、なぜモバイル端末でCADを使わなければいけないのか、開発の意図がよく分かりませんでした。しかし、モバイル端末ならではのGPSとAutoCAD WSが連動することで、新たな価値や用途を生み出せることに納得しました。
さらにカメラやマイク、加速度センサーなどとの連携による新機能も期待できそうですね。