管理人のイエイリです。
パイオニアは、世界初「AR HUD(ヘッドアップディスプレイ)ユニット」搭載したカーナビゲーションシステム「サイバーナビ」を発売することを5月8日に発表しました。
これまでのカーナビは、ダッシュボードに取り付けたモニターで地図や道案内を確認していました。
ところがサイバーナビは、AR(拡張現実)技術を使い、鮮明なフルカラー映像で
ナ、ナ、ナ、ナント、
フロントガラスの前方
に映し出し、目の前の道路や街並みに重ねて見られるのです。
フロントガラスの先に映し出されるAR情報のイメージ(資料:パイオニア。以下同じ) |
AVIC-VH99HUD(左)とAVIC-ZH99HUD(右) |
画像はドライバーの目から約3m前方に90cm×30cm(約37インチ)相当の大きさで表示します。プロジェクターとなる「AR HUDユニット」は、サンバイザーの場所に取り付けます。
そのためドライバーはあまり視線を移動させたり、焦点を変えたりすることなく、瞬時に情報を把握できます。
AR情報をフロントガラス前方に映し出す「AR HUDユニット」 |
表示できる情報は、カーナビのルート情報のほか、道路標識や前方の赤信号、周辺の駐車場の空き情報、そして車間距離などです。
道路標識を検知すると、制限速度などを読み取って拡大表示するとともに効果音でも通知してくれます。また、地図にない道路を走ると地図上に道路を自動生成し、その後のルート案内に利用できる機能も付いています。
このほか、高速道路の走行時、車線を自動的に感知してドライバーが意図せずに車線をまたいだときにはレーンの表示色を変えて注意するほか、その状態が一定時間以上続いたときには効果音で警告します。居眠り運転の防止にも役立ちそうですね。
カーナビ情報や車間距離の表示 |
交差点で停車したときは3つ先までの交差点名などが表示される。赤信号も検知 |
高速道路走行時の表示 |
この最先端のカーナビは「クルマの運転」に必要なあらゆる情報をフロントガラス上に集約して見られるところに特徴があります。
情報の内容を「重機による施工」に入れ替え、設置場所をバックホーやモーターグレーダー、ブルドーザーなどの重機に変えることで、
情報化施工に活用
できるかもしれませんね。
例えば、盛り土や切り土を行う位置や仕上げ面をARで表示すると、図面などを確認しなくても次から次へと作業をしていけます。
周辺の重機や人の位置を表示したり、間隔が小さくなったときに効果音で警告を出したりすることで事故防止にもつながります。
高度な応用とししては、プロジェクトマネジメントシステムと連動させて、運土量が最少となる切り土と盛り土の位置や施工順序などを表示することで、工期短縮だけでなく、CO2や燃料の削減にも寄与できるでしょう。
また、「道路走行モード」ではマンホールや路肩、ガードレールの位置をARで表示できるようにすると、冬季の除雪作業にも役立ちそうです。
先日、米国のグーグル社がネバダ州で自動運転システムを採用したプリウスを使って公道での試運転試験を始めたというニュースもありました。
このシステムも重機に導入することで、24時間態勢での無人情報化施工や除雪作業の無人化への道も開けそうですね。