電力自給にあと一歩!電気自動車と太陽光発電を連携したスマートハウス
2012年5月30日

管理人のイエイリです。

日常生活や経済活動に使われるエネルギーのほとんどは太陽エネルギーがもとになっています。

年間の太陽光発電量が電力使用量より多ければ、ゼロエミッション住宅が実現できるはずですね。この考え方のもと、三菱電機の「大船スマートハウス」では、電力最適制御の実証実験を始めることになりました。

そのポイントとなるのは

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

電気自動車と太陽光発電

 

を連携させたHEMS(住宅エネルギー管理システム)なのです。

 20120530-image7.jpg

大船スマートハウスの外観(写真・資料:三菱電機。以下同じ)

 20120530-image6.jpg
電気自動車とHEMSの接続部分
 20120530-image5.jpg
実証システムの構成図

実験の目的はスマートハウスに設けた6kWの太陽光発電(RV)と、電気自動車(EV)の大容量蓄電池を「PV・EV連携パワコン」によって連携させることにより、災害や節電などの停電時にも快適さを損なわずに1週間以上の電力供給と平常時のエネルギー最適利用を実現することです。

そのポイントは、太陽光発電で得た電力を少しも無駄にせず、HEMSによって住宅内の機器を省エネ運転することにあります。また、高効率なヒートポンプなど省エネ性能の高い機器を採用することも欠かせません。

停電時の基本的な電力の流れは、晴れているときには太陽光発電の電力を住宅内の機器とEVに供給し、曇っているときや夜間にはEVの蓄電池の電力を利用する、というものです。

 20120530-image4.jpg

停電時における電力の流れ

 20120530-image3.jpg
1週間単位で見た天候と機器の電力制御方法

しかし、三菱電機の実験は、さらにミクロな部分まで踏み込んでいます。それは自然エネルギーの積極的活用と、高効率な空調機器の運転です。2011年に行った実験によると、太陽熱を回収し給湯に利用したところ、給湯については

 

年間消費電力を40%削減

 

できたそうです。

また、普通は真夏に帰宅したときに冷房のスイッチを入れ、出力100%ガンガン冷やすことを行いがちですが、帰宅予定時間に基づいて空調を前もって緩やかに運転した結果、運転効率が高まり、空調の年間消費電力は25%削減できたそうです。

 20120530-image1.jpg

省エネ機器とHEMSによる省エネ制御により年間の消費電力量は太陽光発電量を下回った

 20120530-image2.jpg
空調機器は緩やかに運転することでピーク電力と消費電力の両方を削減できる

世間では原発再稼働を急ぐ論調がこのところ急に高まっていますが、その一方でこの実験のニュースを聞いて、太陽光エネルギーで自給自足できるレベルまであと一歩のところまで技術が進歩していることを感じました。

スマートハウスの省エネ運転技術が今後、さらに進化することを期待したいです。

(Visited 2 times, 1 visits today)

Translate »