CFDで効果が見えた!Low-Eガラスを後付けする旭硝子の「アトッチ」
2012年7月3日

管理人のイエイリです。

はめ殺し窓を採用しているオフィスビルや店舗では、節電のため窓を省エネ化したいと思っても、足場を組んで大がかりなガラス交換工事が必要になったり、二重窓を設置するスペースがなかったりといった理由で、ガラスに遮熱フィルムを張ることであきらめているケースが大半です。

遮熱フィルムは夏の暑さ対策には多少の効果があるものの、冬の寒さ対策には効果がありません。旭硝子には、オフィスビルのオーナーやテナントから「簡単な方法で既存の窓ガラスを年間通じて省エネ化できないか」という要望が多く寄せられていました。

そこで同社は画期的な省エネ窓リフォーム製品「アトッチ」(PDF)を開発し、今年10月に発売することになりました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

Low-Eガラスを後付け

 

して二重窓化することができるのです。

後から「アタッチ」するので「アトッチ」という製品名にしたのでしょうか。ネーミングが秀逸ですね。

Low-Eガラスとは、ガラスの表面に特殊な金属膜をコーティング処理したもので、断熱性や遮熱性に優れているほか、紫外線や赤外線を防ぐなどの効果を持つ省エネ型ガラスです。

二重窓化することで、結露しにくくなり、防音性能にも優れています。

 20120703-image4.jpg

アトッチの施工イメージ(資料・写真:旭硝子。以下、同じ)

 

 20120703-image2.jpg  20120703-image3.jpg

アトッチの施工前(左)と施工後(右)。スマートな仕上がりだ

アトッチは既存の窓枠の内側から取り付けるため、足場工事が不要です。1窓当たりの施工時間は30分~1時間とスピーディーで、既存の窓ガラスをそのまま利用するため、廃棄も不要です。

 

その効果は、CFD(熱流体解析)の結果を見ると一目瞭然です。夏場の室内側ガラス表面温度は施工前39.2℃だったのが、アトッチ施工後は34.3℃に低下し、室内平均空気温度も31.4℃から27.8℃と4℃近くも下がっています。

 

一方、冬場はガラス表面温度、室内平均空気温度もそれぞれ上昇しており、年間を通じて高い省エネ効果を発揮できることが分かります。

 20120703-image1.jpg

アトッチ施工前後のCFD解析結果の比較

旭硝子の試算によると、6階建てのオフィスビル(延べ床面積:4300m2)の場合、施工後の空調エネルギー使用量は、

 

 

約30%削減

 

でき、空調エネルギーコストを年間約61万円節約できるそうです。

この種の製品の場合、施工後の温度やエネルギーが分からないと、ユーザーもなかなか導入する決断ができません。その点、CFD解析によって施工後の温度分布がグラフィカルに見える化されていると、大きなセールストークになりそうですね。

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