道路境界やマンホールもトレース!道路図面をサクサク作る”走る測量機”
2012年8月7日

管理人のイエイリです。

測量機器の大手メーカー、トプコンにはクルマに360°全方位カメラやGPS機器を搭載し、走りながら道路の360°動画を撮影し、道路の3次元CGを作る「IP-S2 Lite」というモバイルマッピングシステム(MMS)があります。

異なる位置から撮影した複数の画像を基にカメラの位置と姿勢を解析する「CV技術(Camera Vector Technology)」によってカメラ画像を3D化するのが特徴です。

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360°全方位カメラによって道路の3次元CGを作る「IP-S2 Lite」の作業手順(写真、資料:トプコン)

今回、このシステムがさらにパワーアップさせるオプションが登場しました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

3Dレーザースキャナーを1台

 

追加するアップグレードキット「IP-S2 Lite Plus Kit」というものです。

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「IP-S2 Lite Plus Kit」を搭載した車両(写真:トプコン)

このアップグレードキットによって、内蔵のIMU(慣性計測装置:Inertial Measurement Unit)やCV技術、360°全方位カメラとレーザースキャナーを組み合わせて、道路周辺の地理空間情報を効率的に取得します。

計測した全方位パノラマ画像と、点群データは専用のCADソフトで合成表示でき、道路図面を簡単に作れるようになります。道路境界線のほか、道路上のマンホールや地物などのトレースも簡単です。

タイヤの回転数を計測する「ホイールエンコーダー」が不要になり、ノートパソコンでも計測できるので、幅広い車両を使えるほか、設備投資の負担も少なくなります。

このシステムは今年8月に発売されますが、これに先だって国土地理院では、

 

MMSで道路台帳を作成

 

するための「移動計測車両による測量システムを用いる数値地形図データ作成マニュアル(案)」(PDF)を5月に公開しています。

このシステムも、同マニュアル(案)に準拠したものとなっています。

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「移動計測車両による測量システムを用いる数値地形図データ作成マニュアル(案)」の表紙(資料:国土地理院)

こうした公的なマニュアルが整備されたことで、今後、道路地図の作成にはますますMMSが活用されていくことが予想されますね。

国土交通省でこのところ導入が急がれている「土木のBIM」こと、CIM(Construction Information Modeling)との親和性も高そうです。

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