BIMはもう高くない!オートデスクが2次元CADより安い「Revit LT」を発売
2012年9月6日

管理人のイエイリです。

BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を導入したくても、なかなかできない最大の理由はソフトの値段が高いということでした。

例えばオートデスクの意匠設計用BIMソフト「Revit Architecture 2013」は84万5250円(税込み、スタンドアロン版)もします。

そこでオートデスクは思い切った低価格のBIMソフトを、今年10月9日に発売することになりました。その名も「Autodesk Revit LT 2013」というもので、その価格は、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

18万3750円(税込み)

 

と、超大盤振る舞いな価格なのです。同社の2次元CAD「AutoCAD LT 2013」が19万9500円ですから、それよりもさらに安い価格です。

また、ライバルのArchiCAD Soloよりも低価格に設定され、意匠設計用BIMソフトとしては最安値の製品となりました。これだけ安くなると、BIMにもチャレンジしてみようか、という設計者や技術者が増えてきそうですね。

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Revit LTによる3Dビジュアライゼーション(資料:オートデスク。以下同じ)

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3Dモデルと図面の連動
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仕上げ表などの自動作成も可能
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充実したファミリの例

Revitには意匠設計用の「Revit Architecture」、構造設計用の「Revit Structure」、設備設計用の「Revit MEP」の3種類がありますが、Revit LTはArchitectureの機能を基本として、Structureの機能も一部含まれています。MEP関連の機能は含まれていません。

気になるのは、LT版ではどんな機能制限があるかということですが、1つのBIMモデルを複数の人が同時にアクセスして作業する「ワークシェアリング」や干渉チェックなど、コラボレーション関係の機能や解析機能、API機能などが省略されています。

また、CGパースを作るときのレンダリングは、フォトリアルなレベルであればRevit LT本体でできます。高画質のレンダリングは同社の「サブスクリプションサービス」という保守契約に入ったユーザーだけ、オートデスクのクラウドサービスを使って行えるようになっています。

ゼネコンや建築設計事務所の協力会社や小さな設計事務所などが使うには十分な機能がそろっているのではないでしょうか。

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Revit LTとRevitの機能比較

このほか、Revit LTとAutoCAD LTがセットになった「AutoCAD Revit LT Suite」というパッケージ製品もあり、こちらは24万9900円(税込み)です。

すでにAutoCAD LT 2012などを持っているユーザーは12万4950円(税込み)でSuiteにアップグレードことができます。ただし、AutoCAD LTから単体のRevit LTに乗り換えることはできません。

昨日(9/6)行われた記者発表会では、販売目標についての質問も出ました。オートデスクの担当者は、具体的な目標販売本数については明言を避けましたが、通常版のRevitに比べて、

  

目標本数のケタが違う

 

のだそうです。

オートデスクが2次元CADより安いBIMソフトを投入したことで、いよいよBIMの普及も加速していきそうですね。

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9月6日に行われたオートデスク本社で開催された記者発表会

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