管理人のイエイリです。
A4判のスキャナーでA3判の図面や資料をPDFファイルなどに電子化するウラ技として、資料を2つ折りにし、両面スキャンした後で両方の画像をつなぎ合わせるという方法があります。
ただ、この方法による“自炊”は手間暇がかかるだけでなく、スキャンするときに微妙に生じた画像のひずみが残り、つないだ部分にずれや欠けが起こってしまう問題点がありました。
A4サイズのスキャナーでA3判資料をスキャンする方法(資料:富士通研究所。以下同じ) |
そこで富士通研究所は画期的な画像技術を開発しました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
A3資料を半分に切断
した後、A4判としてバラバラにまとめてスキャンし、自動的にA3資料のPDFファイルを作ってくれるというものなのです。
この技術には2つの特徴があります。
まず、バラバラにスキャンした画像ファイルと組み合わせる相手方のファイルを自動推定します。相手方が決まったら、結合境界部分での線や文字、図形などが自然につながるように、スキャン画像に発生している局所的なひずみを補正します。
この技術により、A3判資料を半分に折って1枚ずつスキャンする方法に比べ、手作業の時間が2割以下となり、従来方法より結合部のずれの少ない疑似A3スキャン画像が得られるというわけです。
半分に切断し、バラバラにスキャンした画像の組を自動推定 |
画像の局所的なひずみを自動修正して結合部のずれを小さくする |
富士通研究所では処理速度の高速化を進めて、この技術をA4判スキャナーに搭載することを目指しています。
さらにA3よりも大きな資料を切断し、紙片をスキャンするだけで元の用紙サイズのスキャン画像を生成する技術への展開を進めていくそうです。
この技術が実現すると、身近なA4スキャナーで、
大判図面を電子化
することもカンタンにできるようになりそうです。
これは大きな図面を扱うことの多い建設業界にとってもありがたい技術です。ぜひ、早期実現に期待したいですね。