200億点を読み込める!オートデスクが点群処理ソフト「ReCap Studio」を発売
2013年3月28日

管理人のイエイリです。

建物や道路などの表面形状を、無数の点(点群データ)として計測する3Dレーザースキャナーは、価格の低下とともに建設業界でも段々使われるようになってきました。

例えば、最近のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)のソフトでも、点群データを読み込み、設計に使える製品が市販されています。

オートデスクでは、点群データをさらに使いやすくする新製品「ReCap Studio」を昨日(3/27)に提供開始しました。

RevitやAutoCADなどにはプラグインソフトも用意されており、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

200億個もの点群

 

を読み込んで、設計の“下図”として使うことができるのです。

これまでのRevitやAutoCADが読み込める点群は約20億個でした。他のソフトよりもかなり多かったのですが、ReCap Studioはその10倍という膨大な数の点群を読み込めることになります。

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点群の密度イメージ。左端が従来のモノクロ点群を読み込んだイメージ。右側がReCapが高密度のカラー点群を読み込んだイメージ(資料:オートデスク)

これまでのCADの設計では、1本も線が書かれていない白紙の状態から作業を進めなくてはいけません。しかし、最初の1本の線から設計を仕上げていく作業は、設計者にとってもなかなか気が乗らないかったかもしれません。

そこで、既存の建物や道路などの点群データを下図として読み込んでから作業を始めると、設計者もイメージがわきやすく、作業の効率が上がりそうです。

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改装する室内を計測した点群データを下図として読み込み、追加する壁(画面中央の2重線)を作図したところ(写真:家入龍太。以下同じ)

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中央右側の茶色の部分が作図した壁。点群と新たに設計したモデルの違いがよく分からないほどだ

このほか、ReCap Studioは写真測量にも対応しています。物体や建物などの周囲からいろいろな角度で撮った多数の写真を読み込むことで、

 

3Dデータを自動作成

 

してくれるのです。

オートデスクでは、フリーのクラウドサービスとして「123D Catch」を提供していますが、それのプロ用とも言えるソフトですね。

なお、ReCap Studioはデスクトップ版として、オートデスクのBIM関連ソフトを集めたパッケージ製品「Building Design Suite」や、CIM関連ソフトを集めた「Infrastructure Design Suite」や、AutoCADやAutoCAD Civil 3Dなどの「AutoCADファミリー製品」に同梱(どうこん)されます。RevitやAutoCADにはプラグインソフトとして組み込まれ、BIMや3Dで設計する画面内に大量の点群データを読み込んで作業できます。

また、毎年、費用を払うことで最新版を常に使える「サブスクリプション」のユーザーに提供されているクラウドサービス「Autodesk 360」では、クラウド版の「ReCap Photo」が今年4月から試験提供される予定です。

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3月27日、東京で開催された記者発表会で講演する米国オートデスク社営業担当上席副社長のスティーブ・プラム氏(左)とオートデスク代表取締役社長のルイス・グレスパン氏(写真:家入龍太)

オートデスクがここ数年、取り組んできた点群データやクラウド・コンピューティングへの対応は、ここに来て一気に使い勝手がよくなってきたようです。これを機に、オートデスクはロゴも一新しました。左端のアイコンは、1枚の紙から思う形に変化し、モノを作り上げる「折り紙」をイメージしているそうです。

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オートデスクの新しいロゴ(資料:オートデスク)

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