BIM/CIMとERPを統合!経営ツールとしても注目されるIFC
2013年6月26日

管理人のイエイリです。

米国ロサンゼルスの南カリフォルニア大学で6月23日~25日(現地時間。以下同じ)まで開催された米国土木学会(ASCE)のIWCCE(International Workshop on Computing in Civil Engineering)のスポンサーの一つに、キーウィット社(Kiewit)という建設会社があります。57の拠点、3万人の従業員を擁する巨大企業です。

6月24日に同社はBIMモデルを交換するための共通規格について講演しました。初めは設計と施工の効率化についての取り組みかな、くらいに思っていたのですが、話が進むうちにとんでもないことに取り組んでいることが明らかになりました。

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キーウィット社のウェブサイト(資料:Kiewit)

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 キーウィット社のデータ交換標準についての講演(写真:家入龍太。以下同じ)

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

BIMをERPと合体

 

させようとしているのです。

ERP(エンタープライズ・リソース・プラニング)とは、企業の会計や経済的状況をリアルタイムに管理する基幹経営システムです。

これにBIMモデルを統合することで、建設プロジェクトの進ちょく状況を技術的な側面だけでなく、お金の動きや新市場開拓、法的規制などを含めて多面的に把握し、経営管理に生かそうとしているわけです。

そこで同社は、BIMモデルデータの交換標準である「IFC」を現在の建築物だけでなく、橋や道路、トンネルなど、土木インフラ構造物にも拡張し、あらゆる構造物の情報をソフトの種類によらず、交換できるようにするべきだと主張しています。

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BIMモデルを生かした建設業の経営ビジョン

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土木インフラ構造物を含めたIFCの将来構想

1990年代に半ばに始まったIFCの開発は、buildingSMART(IAI)に参加した各国の技術者の地道により進められてきました。それがここに来て、

 

経営ツールとしての重要性

 

も認められてきたというわけです。

IFC形式はまだまだBIMの「I」、つまり属性情報のデータ交換には不十分という指摘もありますが、キーウィット社のような会社の出現で、適用範囲の拡大やデータ交換精度の向上がスピードアップする可能性もありますね。

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