管理人のイエイリです。
土木分野で国土交通省が2012年に試行を始めたCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)では、土木構造物の3Dモデルや様々な情報をプロジェクト関係者間でスムーズに受け渡す「データの流れ」が重視されています。
地形や地質、周辺環境を含めた大量の情報を各地のプロジェクト関係者間で共有するため、伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
CIM用のクラウドサービス
を開発し、今月(9月)から提供を開始したのです。
このサービスは3次元モデル情報共有クラウドサービス「CIM-LINK」というもので、図面や構造物の3Dモデル、画像や各種ドキュメントを発注者、建設コンサルタント、建設会社などプロジェクト関係者間で共有できるようにします。
例えば、施工段階で新しい地形情報が得られたり、設計変更が行われたりしたときは、3Dモデルとともにクラウド上に情報を蓄積することで、プロジェクト関係者は最新情報をいつでもどこからでも得られます。
CIM-LINKの機能(資料:CTC。以下同じ) |
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建設プロジェクトにおける3Dモデルの引き渡しワークフロー | |
地盤や都市の3Dモデルのイメージ図 |
基本的にはカレンダーや掲示板、ファイル共有などの機能を持ったグループウエアの一種ですが、地盤の3Dモデルを作成する「GEORAMA for Civil 3D」や山留め壁の設計などを行う「KASETSU-5X」などの土木ソフトと連携する機能もあり、CIMの業務に便利な機能を備えています。
CIM-LINKは同社のクラウドITインフラサービス「cloudage CUVIC OnDemand」上で稼働します。
●CIM-LINKと連携する土木用ソフトの例
製品名 | 概要 |
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GEORAMA for Civil 3D | 調査ボーリング、既存の地質平面・断面図などの断片的なデータを基に、3次元地盤モデル・3次元地質モデルを作成するための自社開発ソフトウェア |
KASETSU-5X | 山留め壁の設計、情報化施工、材料・対策工事の評価を行う自社開発ソフトウェア |
PC橋シリーズ | PC単純桁橋、PC連結桁橋、PCコンボ橋の詳細設計を行う自社開発ソフトウェア |
Soil Plus(※) | 有限要素法により、2次元及びおよび3次元の地盤・浸透・耐震の解析を行う自社開発ソフトウェア |
BMStar(※) | 橋梁維持管理に必要な業務を一貫して支援する汎用ブリッジマネジメントシステム |
(※)は対応予定
CIMでは維持管理段階での活用も重視されており、構造物の3Dモデルに材質などの「属性情報」のほか、構造物に取り付けたセンサーの情報もひも付けすることで、情報を一元管理していく構想もあります。
そこでCIM-LINKでは、同社の
センサークラウドサービス
の「E-PLSM」や構造物の維持管理ソリューション、スマートウォンなどとの連携も計画しています。
これが実現すると、計画、設計から施工、維持管理に至るまで、土木インフラのライフサイクル全体を統合管理できるクラウドサービスになりますね。
ちなみに、気になるCIM-LINKの利用料金ですが、10プロジェクトが利用できるタイプが月額12万円から、1つのプロジェクトで利用できるタイプが月額3万円からとなっています。
既に、大林組や先端建設技術センター、八千代エンジニヤリングにはトライアル提供もしています。9月19日には東京・霞が関で「CIM最新事例セミナー」が開催され、先行ユーザーの事例も紹介されますので、ご興味のある方はどうぞ。