管理人のイエイリです。
多数のコンピューターが稼働するデータセンターの大きな課題は、コンピューターを冷やすために使う空調エネルギーをいかに削減するかということです。
そこでエヌ・ティ・ティ・スマートコネクト(以下、NTTスマートコネクト)とNTTファシリティーズは、空調エネルギーを大幅に減らすことが可能な都市型データセンターのシステム実証実験を大阪市内のデータセンターで始めました。
その特徴は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
“打ち水”で冷やした
空気による外気冷房を導入したことなのです。
ミスト併用直接外気空冷システムの概要図。RA(還気)は外気温度が低すぎるとき、温めて適温にするために使用する(資料:家入龍太) |
ミスト噴霧装置 |
この空調システムは「ミスト併用直接外気空冷システム(仮称)」というもので、従来の空調機に「直接外気冷房システム」と「ミスト噴霧による蒸発冷却システム」を組み合わせたものです。
“打ち水”の効果を発揮するミスト噴霧により取り入れ外気の温度を下げることができます。
気温が低い季節はミスト噴霧なしの「単純外気運転」、やや気温が高くなってきたらミスト付きの「ミスト外気運転」、気温がさらに高くなってきたらエアコンを併用する「混気運転」に切り替えることにより、年間の空調エネルギーを削減します。
空調エネルギーを外気冷房なし場合に比べて37%削減し、ミスト噴霧の併用でさらに8%削減できるため、合計45%もの空調電力を削減できます。
さらにミスト噴霧で室外機からの排熱温度も低くなるため
ヒートアイランド現象
を抑制する効果も期待できます。
省エネ効果のシミュレーション値 |
このほか、ミスト噴霧は外気が異常高温になった場合に空調機の能力低下や停止を防ぐ効果もあり、データセンターの信頼性を高める機能も発揮します。
クラウドコンピューティングサービスを支える最新の都市型データセンターに、打ち水の効果を活用し、省エネやCO2削減、ヒートアイランド現象の防止を図る取り組みは、日本の伝統芸とも言えそうですね。
分かりやすいビデオも用意されていますので、ご覧ください。