管理人のイエイリです。
日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)といえば、デスクトップ型ワークステーション「Zシリーズ」や、モバイルワークステーション「Elitebook」シリーズ、そして大判インクジェットプリンターのベンダーとしておなじみのメーカーです。
デスクトップ型ワークステーション「Z620」(左)とグラフィックボード1枚で6画面に巨大都市モデルを表示した例(右)(写真:家入龍太。以下同じ) |
昨日(10/3)、東京・秋葉原で同社の新製品発表会が行われました。その目玉となったのは、Zシリーズのウルトラブック版ワークステーション「Z Book 14」です。
ウルトラブック型のワークステーションが発売されるのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
世界で初めて
ということなのです。
世界初のウルトラブック型ワークステーション「Z Book 14」を初披露する米国リューレット・パッカード社ワークステーション事業部マーケティングディレクターのジョシュ・ピーターソン(Josh Peterson)さん |
その特徴は軽さです。これまでのモバイルワークステーションは軽い製品でも2kgを大きく超えていましたが、「Z Book 14」はわずか1.7kg。女性でも3本の指で軽々と持つことができます。
にもかかわらず、CPUにはインテル CORE i7vProプロセッサー、グラフィックボードには最新のAMD FirePro M4100、液晶モニターには14インチ(1920×1080ドット)のアンチグレアパネルを標準装備しています。
重さはわずか1.7kg。女性でも軽々持てる |
厚さはわずか21mm。ワークステーション「Zシリーズ」がこんなにスリムに |
また、ワークステーションらしく、メンテナンスが行いやすいように裏ぶたが簡単にはずせるようになっています。また、暗いところでも使いやすいように、キーボードにはバックライトを備えています。
裏ぶたをはずしたところ |
キーボードにはバックライトが付いており、暗いところでも使いやすい |
今回の新製品発表会は、全業種を対象にしたものです。そのため、エンターテインメント分野でハイスペックなHPワークステーションのヘビーユーザーである映画制作会社、ドリームワークス・アニメーション社による講演も行われ、CGアニメ映画がどのようなプロセスで制作されるのかといった興味深い話も紹介されました。
しかし、注目すべきはなぜ、今、日本HPがウルトラブック型ワークステーションを投入したかです。そのターゲットは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
東京五輪とCIM
なのです。
CIMとはもちろん、国土交通省が推進している「コンストラクション・インフォメーション・モデリング」のことです。
日本では2020年の東京オリンピック開催が決まり、今後、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIMを使ったプロジェクトが増え、設計などにハイスペックなワークステーションのニーズが増えると期待されています。
「2020年東京オリンピック需要を取り込め!建築・土木にワークステーション」という講演を行う日本ヒューレット・パッカード ソリューション製品本部本部長の小島順さん |
ズバリ、ターゲットはCIM |
ウルトラブック型ワークステーションが投入されたのもワークステーションを現場に持ち出す機会が多い建築・土木分野を狙ってのことです。もちろん、「Z Book 14」もBIM/CIM用のソフトがサクサク動くようにになっています。
一方、製造業では機密保持が厳しく、ワークステーションを社外に持ち出すことはほとんどないので、基本的にデスクトップ型が使われているそうです。
価格は20万円程度になるようです。BIMやCIMのユーザーの方は、これを持っていると出張が楽になりそうですね。