オペレーターも挑戦!清水建設が重機のアイドリング時間を大幅削減
2013年11月29日

管理人のイエイリです。

建設業には製造業などに比べると、まだまだ多くの隠れたムダが存在しています。ブルドーザーやローラーなどの重機が停止しているとき、エンジンのアイドリングで消費する燃料もその一例です。

そこで清水建設は、造成工事に用いる重機のアイドリング防止を目的に「建設重機アイドリング監視システム」を開発しました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

アイドリングを自動判定

 

し、1日の作業時間の中でアイドリング率がどれだけあったかを「見える化」できるのです。

システムを構成するのは、重機に搭載したGPSと加速度センサー、エンジンのオン・オフを認識するセンサー、センサーの情報を現場事務所のパソコンに送信する通信機器、そしてアイドリング状態を検出するソフトウエアです。

アイドリングの検出方法はとてもシンプルで、(1)エンジンがオンである、(2)GPSの位置情報が停止している、(3)加速度センサーの値が設定値以内である、(4)(1)~(3)の状態を確認してから30秒以上が経過するとアイドリング状態と判定します。

同社はこのシステムを東日本高速道路発注の常磐自動車道山元工事(宮城県亘理郡山元町)でブルドーザーとローラーに試験適用し、実証実験を行いました。

アイドリング時間の定量的な結果を「エコ運転判定」として重機のオペレーターに示しながら環境教育を実施した結果、オペレーターは率先してアイドリングストップを行うようになったそうです。

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アイドリング時間の短縮例(写真:家入龍太)

上記の例では、約7時間の重機稼働時間のうち、当初は1時間46分もあったアイドリング時間が20分に短縮され、

ナント、

 

81%もムダが削減

 

されたことが分かります。現場において見えにくかったムダが、このシステムによって大幅に削減できました。

このシステムで素晴らしいと思ったのは、アイドリング時間の評価に「エコ運転判定」というポジティブな指標を使ったことです。

オペレーターさんにとっては、アイドリング時間というネガティブの数値を示されるより、環境にどれだけプラスの貢献をしたかということをポジティブに評価される方がやる気が出そうですね。

清水建設はこのシステムを今後、総合評価方式の入札で技術提案に盛り込んでいくそうです。

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