0.2mmのクラックも発見!三井住友建設の橋梁点検ロボットカメラ
2013年11月20日

管理人のイエイリです。

土木インフラの維持管理の業務が今後、ますます重要になってきそうですが、橋桁の下にある部材や支承などを点検するのは、ひと苦労です。

これまでは橋桁の下に技術者が入って点検したり、専用の点検車を使ったりしていましたが、作業が危険だったり、交通規制が必要だったりといろいろ問題がありました。

そこで、三井住友建設と日立アドバンストデジタルは、橋桁の上から橋脚や桁の裏面、支承部などを安全に点検できる「橋梁点検ロボットカメラ」を共同開発しました。

驚くべきことは、その優れた眼力です。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

20m先の0.2mmのひび割れ

 

も発見することができるのです。

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橋梁点検ロボットカメラの構成(左)と使用方法(右)(資料・写真:三井住友建設。以下同じ)

ロボットと言っても、非常にコンパクトな構成です。橋面の高欄に伸縮自在のポールを取り付け、その先端に点検専用のカメラを取り付けます。

このカメラは向きやズームを一般のタブレット端末で遠隔操作することができ、点検結果を動画や静止画で記録する、というものです。

ポールは最大4.5mまで伸びますので、一般的な橋梁なら橋桁の裏面や支承などを安全に見ることができます。

これまでの点検は人間が構造物に近づいて目視で確認していましたが、このロボットカメラでは光学倍率30倍のカメラを搭載し、コントラストや手ぶれ、霧除去などの映像補正を行うことで「見る」機能を強化し、離れたところからも構造物の状態をクリアに見られるようにしました。

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 橋面から橋桁の裏側を安全に見られる(左)。点検専用カメラ(右)
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高欄に取り付けた伸縮自在のポール(左)。光学30倍で見たクリアな支承の映像(右)

さらにこの点検ロボットが優れている点は、

 

ひび割れ幅を測定

 

できることです。

これまではコンクリート面などにクラックスケールを当てて測定していましたが、タブレット端末の画面にクラックスケールを表示し、測定できるのです。スケールの幅は測定面の角度に応じて自動調整されるという芸の細かさです。

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点検専用カメラとタブレット端末
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 タブレット端末に表示されたクラックスケール。非常に細かいひび割れもクリアに見えます

社会インフラの老朽化が進む中、橋梁の点検はますます重要になり、かつ低コストで多くの点検を行うことが求められています。このロボットカメラは、光学技術によって「遠くからから細かく見る」という方法が特徴です。

大がかりな橋梁点検車などを使わないので、交通規制が必要ないところもいいですね。

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