管理人のイエイリです。
BIMの話を聞くたびに、「3Dで見えるのは分かった。でも、その先の製造や施工まで本当につながっているの?」と思う人は多いのではないでしょうか。
設計段階では立派なBIMモデルができても、いざモノを工場で作ろうとすると、結局は製品図を描き直したり、鉄筋データを整えたりと、手作業がどっさり残る。
特にプレキャスト(PCa)部材は、設計、施工、製造の間で情報の受け渡しが細かく、データがつながらないと、せっかくのBIMも「見るための3D」で終わりがちです。
そんな建設業界のお困りごと解決に、東急建設(本社:東京都渋谷区)が一歩踏み出しました。
施工BIMデータを
ナ、ナ、ナ、ナント、
製造用BIMデータ
に自動変換し、バルコニー用のPCa部材を工場生産したのです。(東急建設のプレスリリースはこちら)
その主役は、東急建設がトヨタT&S建設(本社:愛知県豊田市)がコラボすることで実現した「バルコニーPCaシステム」です。
東急建設が作成した施工BIMデータをトヨタT&S建設が引き継ぎ、製造BIMデータを自動生成し、さらに製品図まで自動で作成できるのが特徴です。
要するに、建設会社が持つ3Dデータを、工場側が本当に使えるデータへ変えていこうという試みです。
BIMデータが建設業を越えて、製造業との間で動き始めた感じがして、これはなかなか胸が熱くなりますね。
実はこの流れ、いきなり降ってわいた話ではありません。東急建設は2022年に、当時、岩瀬プレキャスト(本社:茨城県桜川市)と共同で、標準PCaバルコニー板のBIMモデル作成から鉄筋加工までの自動化を目指したプロトタイプシステムを実証しています。(詳しくは、2022年4月26日の当ブログ参照)
今回は、東急建設とトヨタT&S建設との間で、BIMデータのワークフローを構築し、実工事で回してみたというのがポイントです。
その結果、、PCa製品図作成にかかる
作図工数は40%削減
できたとのことです。
社名に“トヨタ”が入っているトヨタT&S建設とのコラボだけに、読者の中には製造業的な標準化や合理化を連想する人も多いでしょうが、まさにそうした期待を抱かせる取り組みです。
東急建設は2026年度からバルコニーPCaシステムの本格運用を目指すほか、柱や梁などの構造部材への展開も視野に入れているとのことです。
「BIMの普及は進んでいない」という声も一部では聞きますが、今後、現場と工場をつなぐサプライチェーンが発達すれば、建設DXに不可欠なツールとして新たな価値が生まれそうですね。



















