加賀市が360度ドローンで街並みを3DGS化! 人間にもロボットにも見やすく
2026年5月13日

管理人のイエイリです。

建設現場や施設管理では最近、点群データを使って現況を記録する機会が増えてきました。形状を正確に把握するには便利な点群ですが、細かい部分を拡大して見ようとすると、スカスカ感やザラザラ感があり、「ここはいったい何だろう?」と分かりにくいこともあります。

そんな中、デジタルカレッジKAGA(本社:石川県加賀市)は、ちょっと変わった方法で、石川県加賀市内の施設や観光資源の空間データ化に取り組みました。

従来の点群データの代わりに、

ナ、ナ、ナ、ナント、

3Dガウシアンスプラッティング

という手法を使って、街並みを3Dデータ化したのです。(デジタルカレッジKAGAのプレスリリースはこちら

3Dガウシアンスプラッティングによるあやとりはしの3Dデータ(以下の資料、写真:デジタルカレッジKAGA)

3Dガウシアンスプラッティングによるあやとりはしの3Dデータ(以下の資料、写真:デジタルカレッジKAGA)

山代温泉「古総湯」の3Dデータ

山代温泉「古総湯」の3Dデータ

九谷ダムの3Dデータ

九谷ダムの3Dデータ

3Dガウシアンスプラッティング(以下、3DGS)とは、点群の点の代わりに、伸びたり平べったく変形したりする楕円体のような要素を3D空間に並べ、面やエッジを表現する手法です。

イメージとしては、一つ一つの要素が数mmから数十cm程度の大きさを持ち、点ではなく“面としての広がり”を持っています。そのため、拡大しても普通の点群より滑らかに見え、形状のつながりも把握しやすくなります。

また、壁や床の質感、陰影、看板、段差、通路、ランドマークなども、見た目として表現しやすいのが特徴です。

右側手前の葉を見ると、平べったい楕円体が浮かんでいるように見える

右側手前の葉を見ると、平べったい楕円体が浮かんでいるように見える

今回の取り組みでは、山代温泉の古総湯をはじめ、山中温泉のあやとりはしやこおろぎ橋、九谷ダム、加賀市イノベーションセンターなどが3DGS化されました。

現場の撮影には、「DJI AVATA360」などの

360度カメラ搭載ドローン

や、全天球カメラ、スマートフォンが使われました。

あやとりはしを撮影する360度カメラ搭載ドローン

あやとりはしを撮影する360度カメラ搭載ドローン

360度カメラ搭載ドローンは死角が少なく、広い範囲をスピーディーに撮影できます。そのデータから分かりやすい3Dデータが作れるとなると、建物や土木構造物、観光施設などのデジタルアーカイブにも、有力なツールになりそうですね。

また、建設現場での施工管理や、インフラ・施設管理にも大いに実力を発揮しそうです。単なる写真台帳ではなく、現場を後から歩き回るように確認できる「歩き回れる現況記録」として残せるイメージです。

竹の浦館を撮影する360度カメラ搭載ドローン。小回りが利くので歴史的建物のデジタルアーカイブにも使えそうだ

竹の浦館を撮影する360度カメラ搭載ドローン。小回りが利くので歴史的建物のデジタルアーカイブにも使えそうだ

これらの3Dデータは、デジタルカレッジKAGAのウェブサイトで公開されており、くるくる回したり拡大・縮小したりして見られるので、ご興味のある方はどうぞ。

さらにこの取り組みでは、こうした街並みなどの3DGSデータを、ドローンやロボットが自分の位置を把握するVPS(Visual Positioning
System)用の参照データとして活用することも視野に入れています。

加賀市は、国土交通省の3D都市モデルプロジェクト「Project PLATEAU」にも参画してきた地域です。都市全体の骨格をProject PLATEAUの3D都市モデルで押さえ、施設や現場のリアルな見え方を3DGSで補う。そんな組み合わせが進めば、都市スケールのデジタルツインと、現場スケールの実感ある3D記録がつながっていきそうですね。

現場を「人が見る3Dデータ」として残すだけでなく、AIやロボットが読める空間データへと育てていく。加賀市発のこの取り組みは、将来の施設管理や現場ロボット活用に向けた、なかなか面白い一歩と言えそうです。

(Visited 1 times, 1 visits today)

Translate »
Chat
Open Chat