管理人のイエイリです。
建設やインフラの現場では、3Dスキャナーで現況を丸ごと記録できる点群データが、すっかりおなじみになってきました。
ところが、いざ実務で使おうとすると、これがなかなか手ごわいのです。データは重く、高性能なマシンが必要になりがちです。しかも拡大すると、ザラつきやスカスカ感が出て、現場を知らない人には形状や状態がつかみにくいこともあります。
そんな点群の使いづらさを、NEC(本社:東京都港区)がカイゼンしました。
独自のAIとガウシアン・スプラッティングという手法を使って、
ナ、ナ、ナ、ナント、
点群を写真のように
見やすく変換する技術を開発したのです。(NECのプレスリリースはこちら)
普通の点群データは、“丸い点の集まり”のようなイメージです。そのため、奥が透けて見えたり、拡大するとザラついたりして、写っているものの状態を直感的につかみにくいのが弱点です。
この欠点を補うのが、ガウシアン・スプラッティング(以下、GS)という手法です。丸い点の代わりに、伸びたり平べったく変形した楕円体のような要素を空間に重ねることで、面やエッジを表現します。そのため、拡大しても普通の点群より滑らかに見え、形状のつながりも把握しやすくなります。
その結果、機材や設備の形状、配置、外観を高精細に表示でき、ボルトのような細かな凹凸も正確に表現できるとのことです。
さらに一般的なGS変換では、大量の現場画像が必要になりますが、この技術では独自AIが点群3Dデータからさまざまな位置のシミュレーション画像を自動生成します。
そのため、既存の3D点群データだけで利用できるのも大きなポイントです。NECによると、こうした技術は世界初とのことです。
その結果、点群データの大きさも
10分の1以下に激減
します。
例えば、冒頭の点群データでは、元データが4.4GBあったのに対し、GS変換後はわずか0.3GBになったそうです。
都市道路のような広範囲な地形や、大規模構造物の3D点群データをこの技術でGSデータに変換すると、タブレットや一般的なパソコン上でも手軽に見られるようになります。
これなら、現場監督者が現場に行かなくても、多地点を遠隔で見たり、リモートで点検や判断をしたりすることが可能になり、“移動のムダ”も減らせそうですね。
ただ点群を乱暴に間引いて軽くするのではなく、軽量化に伴う形状の歪みを抑えながら、見やすさと細部表現を両立させようとしているところが、この技術のミソです。
これなら、現場担当者だけでなく、管理者や発注者も同じ画面を見ながら、点検・計測業務のリモート化や問題の早期発見、迅速な合意形成などに活用できそうです。
NECでは、防災やまちづくりのDX推進への活用を見込んでおり、2027年度中の実用化を目指しています。






















