PLATEAUの街並みを“教習所”に! フォーラムエイトがドライブシミュレーター開発
2026年5月14日

管理人のイエイリです。

バスやトラックなどの事業用車両では、ドライバー不足や高齢化、経験不足が大きな課題になっています。新人を早く一人前に育てたい一方で、実際の道路でヒヤリハットをわざと体験させるわけにはいきません。

しかも、事故が起こりやすいのは、教習所のような広々としたコースではなく、駅前ロータリーや狭い交差点、歩行者や自転車が入り交じる生活道路だったりします。

市街地の建設現場でも、資材搬入車両やダンプトラックが出入りする際、「この道を通る時、どこが危ないのか」を事前に共有するのは、なかなか難しいものです。

フォーラムエイト(本社:東京都港区)は、そんなドライバー業界のお困りごとに応える新製品を発売しました。

実在都市の3Dモデルを使って、

ナ、ナ、ナ、ナント、

ドライブシミュレーター

を開発したのです。(フォーラムエイトのプレスリリースはこちら

3D都市モデルを教習コースに活用した「PLATEAUドライブシミュレータ」のフル版(以下の写真、資料:フォーラムエイト)●

3D都市モデルを教習コースに活用した「PLATEAUドライブシミュレータ」のフル版(以下の写真、資料:フォーラムエイト)

その名は「PLATEAUドライブシミュレータ」です。国土交通省の3D都市モデル「PLATEAU」を活用し、実在都市に近い道路環境をドライブシミュレーター上に再現します。

つまり、架空の教習コースではなく、実際の街並みや道路、交差点に近いデジタルツイン空間を使って、安全運転トレーニングが行えるのです。

現在は、さいたま新都心駅周辺、浦和駅周辺、大宮駅周辺、大宮公園駅周辺、岩槻駅周辺など、埼玉県内約96kmのフィールドが利用できます。

工事現場の横を通る訓練。横のビルがPLATEAUらしい

工事現場の横を通る訓練。横のビルがPLATEAUらしい

大宮駅周辺の訓練フィールド(左の赤枠内)とPLATEAUの3D都市モデル(右)

大宮駅周辺の訓練フィールド(左の赤枠内)とPLATEAUの3D都市モデル(右)

使い方は、まず対象地域や車種、経験レベルを選ぶところから始まります。対象となる車種は、物流用トラック、バス、タクシーなどです。

初心者向けには基本操作の習熟、ベテラン向けには危険予測やヒヤリハット再現シナリオなど、レベルに応じた訓練が行えます。

訓練では、日中や夜間、晴れや雨といった条件も設定できます。同じ交差点でも、昼間の晴天時と夜の雨天時では、見えるものも判断の難しさも変わります。

こうした条件をシミュレーター上で切り替えながら、実際に街を走っているような感覚で、危険ポイントを確認できるわけです。

突然、自転車や歩行者が飛び出してくるヒヤリハットな場面も

突然、自転車や歩行者が飛び出してくるヒヤリハットな場面も

ソフトウェア価格は税込み330万円で、サブスク版もあります。ハードウェアは、専用筐体と多面ディスプレイを使うフル版(税込み726万円)、簡易筐体のライト版(同440万円)、モニターとコントローラーを使うコントローラ版(同77万円)の3種類が用意されています。

中程度の没入感が体験できるライト版のハード構成

中程度の没入感が体験できるライト版のハード構成

ただし、このシステムは運転を体験するだけではありません。ドライバーの

運転ログを記録

する機能があり、急加速、急減速、急ハンドルのほか、交差点での徐行や歩行者保護などの評価項目ごとに採点されます。

訓練後には、スコアリングやリプレイ機能で自分の運転を振り返れます。これまで指導員が「今のブレーキはちょっと急だったね」と感覚的に伝えていたことを、ログや映像で客観的に確認できるのです。

リプレイ機能による運転の振り返り

リプレイ機能による運転の振り返り

定量的に評価した診断結果

定量的に評価した診断結果

航空会社のパイロットは、定期的にシミュレーターで緊急時の訓練を行っています。同じように、建設車両や物流車両のドライバーも、シミュレーターで自分の運転のクセを見直したり、危険場面への対応を事前に体験したりできれば、安全教育は大きく変わりそうです。

事故を現実に起こして学ぶのではなく、デジタルツイン上で先に体験しておく。PLATEAUの街並みを“教習コース”に変えるこの仕組みは、安全運転教育のDXとして、建設業界にも応用のヒントを与えてくれそうですね。

(Visited 1 times, 1 visits today)

Translate »
Chat
Open Chat