点群をWebブラウザーで3Dトレース! KOLC+の図化機能が進化
2026年5月29日

管理人のイエイリです。

ドローンやレーザースキャナーで、建設現場を3Dスキャンする機会が増えてきました。そこで得られる点群データは、現場の形をリアルに記録できる便利なデータです。

ただし、点群データはあくまで無数の点の集まりです。施工計画や施工管理に使うには、そこから壁や法面、構造物の輪郭を拾い、CAD図面や3Dモデルとして使える形にしたいところですね。

ところが、点群を図化しようとすると、どの点を拾うかによって線の位置が微妙に変わることがあります。しかも、点群処理には高性能パソコンや専用ソフトが必要になりがちで、「点群は取ったが、その後が大変」という現場も少なくありません。

そんな現場担当者のお困りごとに応えて、コルク(本社:東京都豊島区)が提供するBIM/CIMクラウド「KOLC+(コルクプラス)」の図化機能が進化しました。

重い点群データを、

ナ、ナ、ナ、ナント、

Webブラウザーで3Dトレース

できるようになったのです。(コルクのプレスリリースはこちら

Webブラウザー上で3Dトレースした建物の屋根(以下の資料:コルク)

Webブラウザー上で3Dトレースした建物の屋根(以下の資料:コルク)

つまり、クラウド上にある点群をWebブラウザーで開き、構造物の壁面や基礎、法面などを見ながら、3次元的にトレースしていけるわけです。専用の高スペックPCやインストール型CADソフトを用意しなくても、ブラウザー上で図化作業を進められるところがミソです。

建物の壁や構造物の基礎などは、「直線」や「直角」で構成されることが多いものです。そこでKOLC+では、四角形の形状を3点指定で入力できる「矩形入力」にも対応しました。

さらに、直角を保ったまま作図できる「90度スナップ」、X軸・Y軸に沿って線を引ける「XY軸スナップ」も使えます。鉛直、水平、90度、XY軸などのスナップを複数選択しながら図化できるので、直線や四角形の多い建設物のトレースには重宝しそうです。

直線や四角形のトレースがしやすいスナップ機能が用意されている


直線や四角形のトレースがしやすいスナップ機能が用意されている

また、点群を見ながら線を引いていると、「あっ、今の点じゃなかった」ということはよくあります。そこでWebアプリでありながら、普通のCADや文書ソフトのように、操作を戻す「Ctrl+Z」や、やり直しの「Ctrl+Y」にも対応しました。

このほか、寸法を直接入力して図形を作成・編集できる点も見逃せません。マウスで目分量にプロットするだけでなく、設計値や実測値に合わせて、より実務的な3次元モデリングができるようになります。

数値を入力して精密な3Dモデリングも可能。2Dビューで見たところ

数値を入力して精密な3Dモデリングも可能。2Dビューで見たところ

図化した部分を3Dビューで確認したところ

図化した部分を3Dビューで確認したところ

図化したデータは、DXF形式で出力できます。KOLC+上で指定したカラー情報を保ったままDXF出力できるので、他社製CADソフトに渡した後も色分けによる見やすさを維持できます。図面修正や確認作業もスムーズになりそうですね。

KOLC+で出力したDXFファイルをCADソフトで開いたところ。カラー設定が引き継がれている

KOLC+で出力したDXFファイルをCADソフトで開いたところ。カラー設定が引き継がれている

そして、点群の3Dトレースでありがたいのが、

点群層の中央値

を抽出してくれる機能です。

点群データの鉛直断面を取り出すと、構造物だけでなく、重機や草木などのノイズが含まれることがあります。

例えば、普通の壁を3Dスキャンしても、点群は完全な一枚の面にはなりません。計測誤差や表面の凹凸などによって、壁面の前後に微妙にばらついて分布します。

そのため、個々の点にスナップして図化すると、どの点を選んだかによって、壁面の位置が少し変わることがあります。

これに対し、中央値を基準にできれば、たまたま選んだ1点や外れ値に引っ張られにくくなります。断面内の点群分布を代表する位置を拾いやすくなるため、壁面や法面のトレース位置を安定させる効果が期待できます。

層状に分布している点群データの中央値(上段)や底面(下段)を自動的に取り出せる

層状に分布している点群データの中央値(上段)や底面(下段)を自動的に取り出せる

点群は、取る時代から使う時代へ入ってきました。KOLC+の今回の機能強化は、点群を「見るだけのデータ」から、Webブラウザー上でトレースし、図面やモデルとして使うデータへ近づけるものです。

今後、円や円弧、ベジェ曲線などの曲線作図にも対応すれば、マンホールや配管、円形タンク、曲線道路など、さらに幅広い構造物の図化に使えそうです。

点群活用のすそ野を広げるアプリとして、ますますの進化が期待されますね。

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