iPhoneとAIでスランプ計測! 大林組とエム・ソフトが「AIスランプトラッカー」を開発
2026年6月18日

管理人のイエイリです。

コンクリート工事で気になることの一つが、生コンの「スランプ」です。現場に届いた生コンが、設計や施工に適した軟らかさを保っているかどうかは、構造物の品質に直結します。

しかし、現場でのスランプ管理は、一定量ごとに行う抜き取り試験や、技術者による目視確認に頼る部分が少なくありません。打設はどんどん進む一方で、時々刻々と変化するスランプ値を定量的に管理するのは、なかなか難しいものでした。

生コンのスランプ試験の手順

生コンのスランプ試験の手順

そんな施工管理者のお困りごとに応えるべく、大林組(本社:東京都港区)とエム・ソフト(本社:東京都台東区)は、生コンクリート品質管理システム「AIスランプトラッカー」を共同開発しました。

ミキサー車のシュートを流れる生コンをiPhoneで撮影するだけで、

ナ、ナ、ナ、ナント、

AIがスランプを全量計測

してくれるのです。(エム・ソフトのプレスリリースはこちら

シュートを流れる生コンを撮影すると、スランプ値がリアルタイムに計測される(以下の写真、資料:エム・ソフト)

シュートを流れる生コンを撮影すると、スランプ値がリアルタイムに計測される(以下の写真、資料:エム・ソフト)

現場での使用イメージ

現場での使用イメージ

使い方は分かりやすいです。現場に到着したミキサー車が、シュートから生コンを荷卸しします。そのシュートを流れる生コンを、設置したiPhoneのカメラで撮影します。

すると、ディープラーニングを用いたAIが映像を解析し、リアルタイムにスランプを自動判定します。そのデータは1秒ごとにクラウドへ送信され、現場事務所や本社などでも、スランプの経時変化をリアルタイムに確認できます。

計測値が目標の許容範囲から外れた場合は、クラウド経由で自動的に異常を検知し、現場のタブレットへ警告メッセージを送ります。そのため、打設担当者や品質管理担当者は、異常の兆候をその場でつかみ、早期に対策を講じることができます。

「AIスランプトラッカー」のシステムイメージ

「AIスランプトラッカー」のシステムイメージ

クラウドでのスランプ全量管理画面

クラウドでのスランプ全量管理画面

気になる精度ですが、国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」(登録番号:CB-240029-A)の資料によると、測定値の偏差は、スランプ11.5cmの場合で0.5cm~1.1cm程度、スランプ16.5cmの場合で0.6cm~1.0cm程度とのことです。

一般的な生コンのスランプ試験では、スランプ8cm以上18cm以下の許容差が±2.5cmとされています。それを考えると、このシステムは

かなり実用的な精度

と言えそうです。

もちろん、従来のスランプ試験をなくすというよりは、抜き取り試験や熟練者の目視確認を補いながら、生コン全量の状態を見守るための強力な支援ツールと考えるとよさそうです。

生コンの品質管理は、これまで熟練者の経験に支えられてきました。その大切な技術を、iPhone、AI、クラウドで補い、若手や遠隔地の担当者にも共有しやすくする。こうした取り組みは、人手不足時代の建設現場にとって、心強い味方になりそうですね。

このシステムは、2026年6月17日(水)から20日(土)まで、幕張メッセで開催される「第8回 国際 建設・測量展(CSPI2026)」のエム・ソフトブース(小間番号:24-42)で展示やデモが行われます。ご興味のある方は、出掛けてみてはいかがでしょうか。

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