管理人のイエイリです。
最近の油圧ショベルは、ただレバーで掘るだけの機械ではなくなってきました。モニター画面で作業モードを切り替えたり、機械の状態を確認したり、ICT施工に関わる設定を行ったりと、まるで“走るコンピューター”のように進化しています。
ところが現場でよく起こるのが、「その機能、どうやって使うんだっけ?」という問題です。せっかく便利な機能が付いていても、設定方法を忘れてしまうと、宝の持ち腐れになってしまいます。
こうした問題を解決しようと、住友重機械工業(本社:東京都品川区)と住友建機(本社:東京都品川区)は、オペレーター用アプリ「InCab@Nav(インキャブナビ)」を共同開発しました。
オペレーターが操作方法で悩んだとき、このアプリに聞くと、
ナ、ナ、ナ、ナント、
AIが教えてくれる
のです。(住友重機械工業のプレスリリースはこちら)
オペレーターがスマートフォンやタブレットに向かって、「操作方式の切り替え方を教えて」「シートの高さはどうやって調整する?」といった自然な言葉で質問すると、アプリが取扱説明書のデータベースから該当する内容を検索し、要約して提示してくれます。
つまり、分厚い取扱説明書をめくったり、PDFの中をキーワード検索したりしなくても、運転席でスマホに聞けば、必要な情報にたどり着けるわけです。
InCab@Navは、生成AIおよび自然言語技術を活用した、スマートフォン・タブレット向けアプリです。
オペレーターが建機の使い方についてアプリに質問すると、その内容を解析し、油圧ショベルの取扱説明書データベースから該当情報を検索します。そして、該当箇所を要約・抽出し、関連する画像とセットで画面に表示します。
建機の操作は、文章だけでは分かりにくいことがあります。どのスイッチか、どの画面か、どのレバーかが画像で示されると、現場での理解はぐっと早くなります。まさに、取説を“読むもの”から“聞いて使うもの”に変える発想です。
例えば、ICT建機で法面角度を設定して掘削したいときは、「法面角度の設定方法を教えて」と聞けば、取扱説明書に基づく操作手順を確認しやすくなるでしょう。
油圧ショベルの操作方法や機能に関する疑問を、その場で自己解決できるように支援してくれるので、経験の浅いオペレーターも現場で作業しながら、一人前へと育っていきそうですね。
建設現場では、外国人オペレーターが同じ建機を扱うケースも増えています。そこでInCab@Navには、
外国語でも教えてくれる
「多言語ナビ」機能も搭載されています。
多言語対応により、さまざまな国籍の人が働く現場でも使えそうです。日本語の取扱説明書に慣れていないオペレーターにとって、自分の分かる言葉で建機の使い方を確認できるのは、大きな安心材料になりそうです。
InCab@Navは、油圧ショベルそのものを自動化する技術ではありません。しかし、高度化した建機とオペレーターをつなぐ“AI通訳”として、機能の使いこなし、作業中断時間の低減、導入初期教育の負担軽減に貢献しそうです。
両社は先日も、運転席のオペレーターと周囲にいる作業員が“声で会話できる機能”を発表し、注目を集めました。(詳しくは、2026年5月27日付けの当ブログ参照)
このアプリや会話機能は、2026年6月に開催される第8回 国際 建設・測量展「CSPI 2026」の住友建機ブースで展示される予定です。また、展示に合わせてベータ版をApp StoreおよびGoogle Playでダウンロード提供する予定とのことです。
●ベータ版アプリURLとQRコード(CSPI 2026会期以降アクセス可能となります)
(App Store)https://apps.apple.com/us/app/incab-nav/id6759229414
(Google Play)https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.sumitomokenki.incabnav
建機が賢くなる時代には、人がその賢さを使いこなすための道具も必要です。住友重機械工業と住友建機のチャレンジによって、建設機械のDXもますます多様化していきそうですね。





















