管理人のイエイリです。
道路や造成地の盛土工事では、ブルドーザーで土を敷き均し、振動ローラーで締め固めた後、「本当に中までしっかり締まっているのか」を確認する必要があります。
この締固め品質の確認が、なかなか大変です。広い施工面の中から測点を選び、人が現場に入って削孔したり、試料を採取したり、RI計器などを使って密度や水分量を測ったりします。
重機が動く現場での作業なので安全面にも気を使いますし、測れるのは基本的に「点」のデータです。そのため、盛土そのものが施工面全体でどんな状態になっているのかを把握するには、まだ課題がありました。
そんな施工管理者のお困りごとに応えるべく、鹿島(本社:東京都港区)は、新たな検査方法を開発しました。
締固め検査の装置を、
ナ、ナ、ナ、ナント、
4両編成ロボット
にまとめたのです。(鹿島のプレスリリースはこちら)
このロボットは、同社の自動化施工システム「A4CSEL(クワッドアクセル)」で使われてきた、地盤の締固め品質管理手法「Geo-DX Compaction」による測定を自動化するものです。
機関車のように検査車両を牽引する先頭車両は、「A4CSEL AGV(Automated Geo Vehicle)」と呼ばれます。つまり、これまで人が測点まで行っていた検査作業を、ロボットが施工面を走りながら行うわけです。現場目線で見ると、これはかなりありがたい進化ですね。
このロボットは、新名神高速道路の大津JCT(仮称)~城陽JCTの現場で使われました。鹿島はこの現場で、「A4CSEL」を使い、自動ブルドーザと自動振動ローラーによる盛土施工を進めています。
「Geo-DX Compaction」は、地盤の電気抵抗と水分量を測定し、乾燥密度や含水比などの締固め品質を算出する品質管理手法です。
今回の造成工事への展開にあたり、鹿島は水分量を面的に測定する牽引式のRI水分計を新たに開発し、4両編成ロボットの2両目に組み込みました。
使い方のイメージはこうです。まず、自動振動ローラーが転圧したエリア情報をもとに、「A4CSEL AGV」の走行ルートを自動生成します。そして遠隔地から走行を指示すると、同AGVが電気抵抗測定装置と牽引式のRI水分計を引っ張りながら、施工面を自動走行します。
測定装置は地盤に接地した状態で走るので、地盤の電気抵抗と水分量を連続的に測れます。そのデータから締固め品質を算出し、施工面全域の品質をリアルタイムに可視化できるというわけです。
従来のような削孔や試料採取を伴う検査を省力化できるのも、大きなポイントです。
この技術のもう一つの見どころは、盛土管理を「ローラーが何回通ったか」で管理する工法規定から、「実際に地盤がどう締まったか」で管理する品質規定へと近づける、
施工管理DXの可能性
が見えてきたことです。
最近の振動ローラーには、加速度計などで締固め状態をリアルタイムに把握できるものもあります。こうしたローラーで締め固めた後、この4両編成ロボットで施工面全体の品質を無人でリアルタイムに確認できるようになれば、「必要なところを必要なだけ転圧する」施工管理も夢ではなさそうです。
品質が足りない場所だけを追加転圧し、十分に締まっている場所では過転圧を避ける。そんな管理が実現すれば、工期短縮、コスト削減、燃料消費の削減、CO2削減にも効いてきそうです。まさにQCDSEをまとめて改善する土工DXです。
鹿島はこれまで、「A4CSEL」で自動バックホーによる積込み、自動ダンプトラックによる運搬、自動ブルドーザによる敷均し、自動振動ローラーによる転圧を進めてきました。
今回、そこに品質管理の自動化が加わったことで、盛土の施工から品質確認までを一連で「オートメーション化」する姿が見えてきました。
その意味で、「A4CSEL AGV」と「Geo-DX Compaction」の組み合わせは、「盛土をつくるDX」から「品質をつくり込むDX」へ進めるチャレンジと言えそうですね。





















