管理人のイエイリです。
建設現場で工程表を作るとき、「この工種は何日くらい見ておけばよいのか」「前の現場では何人で何日かかったのか」と悩むことは少なくありません。
この作業量に対して必要な人工や日数を示すデータは「歩掛(ぶがかり)」と呼ばれます。ベテランなら経験と勘で見当を付けられますが、若手や中堅、営業段階で工程を組む担当者にとっては、なかなか難しい作業です。
これまでも、自社歩掛を算出・管理できる施工管理システムはありました。しかし、施工実績データの整備や入力作業、工程との対応付けに手間がかかるため、現場ではなかなか定着しないという悩みがありました。
そんな歩掛についてのお困りごとに、KENCOPA(本社:東京都渋谷区)が応えました。
AIが歩掛と連係し、
ナ、ナ、ナ、ナント、
各工程線に自社歩掛
をひも付けてくれる新機能を開発したのです。(KENCOPAのプレスリリースはこちら)
KENCOPA(本社:東京都渋谷区)は、設計図書や図面、仕様書、見積調書などをアップロードすると、AIが工程表を自動作成する「Kencopa工程AIエージェント」を開発し、注目を集めています。(詳しくは、2026年3月30日付の当ブログを参照)
今回、この「Kencopa工程AIエージェント」に追加されたのが、「歩掛AIデータベース機能」です。
この機能は、AIによって生成された工程表の各工程線に、設計図書などから読み取った総施工量や、標準歩掛、自社歩掛を自動でひも付けるものです。
工程表上の工程線をクリックすると、その工程に関係する数量や歩掛を確認できます。必要に応じて、任意の値を入力したり、上書きしたりすることもできます。
つまり、工程表の横棒が単なる「予定線」ではなく、「なぜこの日数なのか」という根拠を持ったデータに変わるわけです。これまで別々に管理されがちだった工程表と歩掛を、AIでつなぐ仕組みと言えます。
「Kencopa工程AIエージェント」は、AIが作成した工程表をアプリ上で編集・運用できます。さらに、出来高線の生成、実績入力、実施工程の作成、PDFやExcelの指定フォーマット出力にも対応します。
対応する工種も、建築、土木、プラント、設備など幅広い分野を想定しています。工程表をAIに作らせるだけでなく、その後の編集、実績入力、帳票出力までを含めた工程管理ツールとして使えるところがポイントですね。
一度、工程線と歩掛がひも付くと、その歩掛データは
会社全体のデータベース
として自動で蓄積されていきます。
日々の工程作成や運用を通じて、自社独自の歩掛が現場横断でたまっていく仕組みです。
自社歩掛の重要性は以前から分かっていたものの、入力負担の重さで定着しにくかった“歩掛データベース”というオールドITが、AIによってよみがえったようなものです。
これまで歩掛は、ベテランの頭の中や、個人のExcel、過去案件のフォルダーの中に眠りがちでした。しかし、この仕組みなら、工程表を作るという日常業務の中で、会社の歩掛データベースが育っていきます。
若手もこのデータを参照しながら、より根拠のある工程表を作成できるようになりそうです。
今後、工事日報や出来高、協力会社、施工条件などの実績データとの連携が進めば、現場ごと、工種ごと、協力会社ごとのリアルで高精度な歩掛を把握できる可能性もあります。
そうなれば、工期見積もりはますますベテランの「KKD(経験・勘・度胸)」頼りから、「データドリブン」な仕事へと変わっていきそうですね。




















