管理人のイエイリです。
建設用3Dプリンターによる施工が、少しずつ広がってきました。
モルタルをノズルから押し出し、一層ずつ積み上げていくことで、型枠を使わずにコンクリート構造物を造れるのが特徴です。
工期や工数の削減、省人化など、人手不足に悩む建設業にとっては、魅力ある工法と言えるでしょう。
一方で、専用材料が高かったり、現場での材料調製に手間がかかったりすることが、3Dプリンター施工ならではの悩みでもありました。
こうした現場のお困りごとに応えるべく、V3D Asia(本社:東京都千代田区)、中澤建設(本社:島根県雲南市)、雲南共同生コン生産会社(本社:島根県雲南市)の3社が立ち上がりました。
一般の生コン工場で製造されたモルタル材料を、
ナ、ナ、ナ、ナント、
ミキサー車で現場に直送
し、建設用3Dプリンターによるオンサイト施工に成功したのです。(V3D Asiaのプレスリリースはこちら)
この施工実証は、2026年5月26日~28日に島根県雲南市で行われました。
ポイントは、現場から16.5km、車で20~30分の場所にある雲南共同生コン生産会社の工場で作ったモルタルを使ったことです。
このモルタルに、V3D Asia独自の添加剤を数パーセント加え、通常のミキサー車で現場へ運びました。
添加剤の詳しい成分や、モルタルの配合、ノズル径、造形速度などは公表されていません。
しかし、この添加剤によって、普通のモルタルを3Dプリントに適した材料に変えたとのことです。
海外から特殊材料を持ってくるのではなく、地元の生コン工場、普通のモルタル、そしてミキサー車をそのまま活用する。
これなら、建設用3Dプリンター施工が、ぐっと身近に感じられますね。
3Dプリンティング建築というと、ついプリンター本体に目が行きがちです。
しかし、実際の現場で使うには、誰が材料を作り、どう運び、どう現場で供給するのかという、
材料のサプライチェーン
が重要です。
今回の実証では、V3D Asiaのプリンター技術に加え、中澤建設の現場施工力、雲南共同生コン生産会社の材料供給や品質管理の知見が組み合わされました。
つまり、3Dプリンター単体のデモではなく、地域の建設会社と生コン会社を巻き込んだ施工システムとして試したところに、大きな意味があります。
将来、建設用3Dプリンターが普及してくると、進化するのはプリンターだけではなさそうです。
普通のミキサー車は、練り上がった生コンを固まる前に運ぶ車です。しかし、3Dプリンター施工では、材料を少しずつ、安定して供給することが求められます。
となると、将来の生コン工場やミキサー車は、セメント材料、水、添加剤を管理しながら、プリンターの吐出量に合わせて材料を送る、いわば“移動式インク供給装置”へと進化するかもしれません。
今回の雲南市での実証は、その第一歩とも言えそうですね。




















