管理人のイエイリです。
トンネル工事では、現場が狭いほど機械化したくても大型機械が入らず、人力作業や小型機械に頼らざるを得ない場面があります。
また、複数の専用機を使う場合は、掘削、ずり出し、吹付、支保工建て込みなどのたびに機械を入れ替える必要があり、これもまたひと苦労です。
西松建設(本社:東京都港区)は、国内トンネル工事現場で、本線トンネルと分岐線トンネルをつなぐ避難連絡坑を施工する際、同じような課題を抱えていました。
そこで同社が採用したのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
1台で何役もこなすロボット
だったのです。(ガデリウスのプレスリリースはこちら)
このロボットは、ガデリウス(本社:東京都港区)が提供した、スウェーデンのBrokk(本社:スウェーデン・シェレフテオ市)製の遠隔施工・解体ロボット「Brokk500」です。
Brokk500は、BROKKRシリーズの中では2番目に大きいモデルです。アーム先端のアタッチメントを付け替えることで、トンネル施工の複数工程に対応できるのが大きな特長です。
今回の現場では、Breakerで掘削、Bucketでずり出しや積み込み、Shotcreteでコンクリート吹付、Grappleで支保工建て込み、Drillで穿孔といった作業を、1台のベースマシンでアタッチメントを交換しながら施工・検証しました。
なお、Drillは今回の施工ではロックボルトではなく、吹付コンクリートの検測孔施工に使われました。また、Splitterという割岩用アタッチメントも用意されていますが、今回は使用されていません。
Brokk500の外観は油圧ショベルにも似ていますが、人が運転席に乗り込む重機ではありません。オペレーターは離れた場所から
遠隔操作
する仕組みです。
そのため、切羽付近など危険を伴う場所からオペレーターが離れて作業できます。人は安全な場所に、力仕事はロボットに、というわけです。
ただし、アタッチメント交換そのものまで完全無人化された、という話ではありません。位置合わせや固定、油圧ホース接続など、人の手が必要になる作業は残ると考えられます。
それでも、掘削機、バックホウ、ドリルジャンボ、エレクター、吹付機などを切羽まで入れ替える時間を減らせるなら、狭い坑内では大きな効果が期待できそうですね。
そして、完全電動タイプである点も見逃せません。Brokk500は坑内で排気ガスを出さずに作業できるのが強みです。CO2についても、従来比で約33%削減できる効果が期待されています。
西松建設では今後、施工サイクル向上に向けた運用・施工方法の改善や、長距離遠隔施工に対応するための通信・映像関連設備の増設、災害復旧など特殊条件下への適用、オペレーター体制の拡充などを進める予定です。
狭い場所に強く、1台何役にも使え、しかも電動で遠隔操作できるBrokk500は、まさに「建機界の十徳ナイフ」。人手不足や安全対策に悩む現場にとって、トンネル施工のロボット化を一歩前に進める新しいチャレンジと言えそうです。
このロボットは、2026年6月17日(水)~20日(土)に幕張メッセで開催される「第8回 国際 建設・測量展(CSPI-EXPO 2026)」のガデリウスブース(ブース番号:展示ホール4 11 – 11)。ご興味のある方は、出掛けてみてはいかがでしょうか。





















