遠隔操作でICT施工! コマツがリモートでもバリバリ働ける油圧ショベルを発売
2026年6月17日

管理人のイエイリです。

油圧ショベルの遠隔操作というと、危険な場所や不便な場所にある重機を、オフィスなど安全な場所から動かせる便利な技術、というイメージがありますね。

一方、建機乗りの目線で見ると、遠隔操作にはちょっとした悩みもあります。映像を見ながら操作するため、どうしてもバケットの刃先の距離感や機械の傾き、周囲の気配がつかみにくく、細かい作業がやりにくいのです。

さらに映像や操作にタイムラグがあると、レバーを小刻みに動かしては確認する“微動操作”が増えます。そのため、現場で実機に乗っているときのように、「掘る、旋回する、積む、戻る」という作業をテンポよく進めにくくなります。

そんな遠隔操作に対するオペレーターのイライラ感を解消してくれそうな油圧ショベルが登場しました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

遠隔操作でICT施工

ができるのです。(EARTHBRAINのプレスリリースはこちら

「PC200i-12 遠隔システム仕様」(左)、遠隔操作システム「Smart Construction Teleoperation」のコックピット(右)(以下の写真、資料:EARTHBRAIN)

「PC200i-12 遠隔システム仕様」(左)、遠隔操作システム「Smart Construction Teleoperation」のコックピット(右)(以下の写真、資料:EARTHBRAIN)

このショベルは、コマツ(本社:東京都港区)とEARTHBRAIN(本社:東京都港区)が開発した20トンクラス油圧ショベル「PC200i-12 遠隔システム仕様」です。同機種に対応した遠隔操作システム「Smart
Construction Teleoperation」とともに、このほど販売を開始しました。

この機種の大きなポイントは、従来の遠隔仕様車では実現できなかった「3Dマシンコントロール」や「自動旋回機能」などのICT施工機能を、遠隔操作でも活用できるようになったことです。

PC200i-12遠隔システム仕様によって、遠隔操作でICT施工を行うイメージ

PC200i-12遠隔システム仕様によって、遠隔操作でICT施工を行うイメージ

「3Dマシンコントロール」は、設計図面データに基づいて、掘削時に作業機の自動停止や操作補助を行い、図面どおりの施工をサポートする機能です。バケットの刃先が設計面に沿って動くため、掘りすぎを防ぎ、効率的に法面仕上げなどを行えます。

また、「自動旋回機能」は、ダンプトラックへの積み込み作業をアシストします。掘削位置とダンプの荷台との間で繰り返す旋回作業を効率化できるのです。

ベースとなる「PC200i-12」は、コマツ初のSDV油圧ショベルです。SDVとは、ソフトウェアの更新によって機能や性能を柔軟にアップデートできる車両のことです。

この「PC200i-12」をベースにした「PC200i-12 遠隔システム仕様」では、「Smart Construction Teleoperation」の専用コックピットから、高精細映像を見ながら現場のICT建機を遠隔操作できます。

●「PC200i-12 遠隔システム仕様」のスペック

機種名で「i」は遠隔でのICT施工対応、「LC」はロングクローラー付きを意味する

機種名で「i」は遠隔でのICT施工対応、「LC」はロングクローラー付きを意味する

コックピットは「インテリジェントサークル」「スペースシップ」「インテリジェントキューブ」から選択でき、移動型の「モビリティーオフィスタイプ」も用意されています。

オフィスに設置するタイプのコックピット

オフィスに設置するタイプのコックピット

屋外での運用を想定したモビリティーオフィスタイプのコックピット

屋外での運用を想定したモビリティーオフィスタイプのコックピット

さらに、1台の遠隔操作席から複数の建機を切り替えて遠隔操作でき、最大6500km離れた現場での施工も実証済みとのことです。

そして、遠隔操作でICT施工ができるようになったことは、オペレーターの視点から見ると、

“微動地獄からの解放”

と言いたくなるのが、今回の面白いところです。

遠隔操作の建機では、タイムラグを見越して慎重に動かすため、どうしても“チマチマ操作”になりがちでした。

その点、「PC200i-12 遠隔システム仕様」には、バケットの刃先を設計面に合わせる「3Dマシンコントロール」や、旋回作業を効率化する「自動旋回機能」が備わっています。

このほか、電線などの障害物との接触を防ぐ「ジオフェンス機能(3D)」や、建機の周囲を360度映す「KomVision機械周囲カメラシステム」、人やモノを検知したときに自動で減速・停止などを行う「KomVision衝突検知ブレーキシステム」も備えています。これらの機能も、遠隔操作下で活用できます。

つまり、オペレーターは遠隔地のコックピットにいながら、ICT施工機能と安全支援機能を味方につけ、現場で実機に乗っているようなスピード感で、掘削や積み込みをバリバリ進められるわけです。

熟練オペレーターは、今や貴重な存在になりつつあります。1人のオペレーターが遠隔操作席から複数現場を切り替えて作業する時代も、だんだん現実味を帯びてきました。遠隔操作と情報化施工、自動化、安全支援が一体化すれば、建機オペレーターの働き方そのものも変わっていきそうです。

2026年6月17日(水)~20日(土)までの4日間、千葉・幕張メッセで開催される第8回 国際建設・測量展「CSPI-EXPO 2026」コマツブース(ブース番号:09-91/08-81)では、初公開となる最新の遠隔操作システムの展示や、遠隔操作デモなどが行われるとのことです。

このシステムも見られるのでは、と期待が高まります。ご興味のある方は、出掛けてみてはいかがでしょうか。

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