管理人のイエイリです。
橋や地下構造物の基礎工事で使われるニューマチックケーソン工法は、地上で造ったコンクリートの箱を地中に沈めながら、その下の作業室で地盤を掘削していく工法です。
この作業室は地下水の侵入を防ぐため、圧縮空気で加圧されています。そのため、人が中に入って作業するには、入退場時の加圧・減圧に時間がかかり、健康管理や作業時間管理、安全管理も欠かせません。
さらに作業空間は狭く、複数のケーソンショベルが動くとなると、機械同士の接触や周辺設備との干渉にも気を配る必要があります。
こうした過酷な作業環境を改善するため、オリエンタル白石(本社:東京都江東区)とDeepX(本社:東京都文京区)が、建設DXに向けて一歩前進しました。
ケーソン内で稼働する3台の掘削機を、
ナ、ナ、ナ、ナント、
自動運転することに成功
したのです。(オリエンタル白石のプレスリリースはこちら)
今回の実証は、実際の橋梁基礎の施工現場で行われました。
ケーソン下部の地下作業空間に設置された3台のケーソンショベルを同時に自動運転させ、1日の作業時間に相当する6時間強の連続稼働を達成しました。
このシステムは、建設ITブログでも2023年に一度取り上げたことがあります。当時は、オリエンタル白石のニューマチックケーソン工法訓練施設「TechFarm」で、デジタルツイン施工管理システム「GeoViz」を使ったケーソンショベルの自動運転を公開した段階でした。(詳しくは、2023年8月7日の当ブログ参照)
それから約3年。今回は訓練施設でのデモから一歩進み、実際の施工現場で、3台同時の自動運転に到達したところが大きな進化です。
3台の機械が同じ空間で動くため、ただ自動で動くだけでは不十分です。近づきすぎたときに止まれることが、現場で使ううえでの安心感につながります。
そこで今回の実証では、自動運転中に衝突リスクが生じた場合、ケーソンショベルを自動停止させる機能も確認しました。
また、作業空間の天井に設置された棚などを画面上で障害物として設定し、ケーソンショベルが接近した際に
自動回避する機能
も確認しました。
こうした細かな機能は、地味に見えても実用化に近づくうえで大きなポイントです。実験場のように何もない空間ではなく、実際の作業室には設備や備品があります。そこまで含めて避けられるようになってきたことに、現場対応力の進化を感じますね。
この自動運転化が進めば、ケーソンショベルを操作するためだけに、人が圧気下の作業室へ入る回数や時間を減らせる可能性があります。
そうなれば、作業終了後に作業員が減圧するための待機時間をはじめ、健康管理、入退場管理、安全衛生管理など、周辺業務の負担も軽くできます。
特に、圧気下で働ける人材や熟練オペレーターの確保が難しくなる中では、人を過酷な作業空間から解放する建設DXとして、大きな効果が期待できそうです。
両社は今後、この実証結果を踏まえて自動運転システムを複数現場へ段階的に導入し、排土設備の自動化を含めたニューマチックケーソン工法の完全自動化に向けた開発を進める方針です。
ニューマチックケーソン工法による工事が自動化される時代は、もうかなり近くまで来ているようです。





















