管理人のイエイリです。
小さな建設会社にとって、工程表づくりはなかなか手ごわい仕事です。図面や見積書を見ながら、どんな工種があるのかを拾い出し、作業の順番を考え、協力会社が入るタイミングを調整し、Excelなどに打ち込んでいく必要があります。
しかも、工程表は単なるスケジュール表ではありません。「この作業は先にやらないと後工程が詰まる」「この工種は少し余裕を見ておこう」といった、ベテランならではの段取り感覚が色濃く出るものです。
そのため、経験の浅い担当者がゼロから作ると、工種の抜け漏れや日数のばらつきが起こりがちです。結局、最後は社長や現場代理人など、ただでさえ忙しい人に確認や修正の仕事が集まってしまいます。
そんな小さな会社を“小番頭”のように助けてくれるシステムを、コンクルー(本社:東京都中央区)が開発しました。
見積書や図面などの案件情報から、
ナ、ナ、ナ、ナント、
AIが工程表を自動作成
してくれるのです。(コンクルーのプレスリリースはこちら)
このシステムは、同社の中小建設会社向けAIオールインワン業務管理ツール「コンクルーAI」の新機能として開発された「工程表AIエージェント」です。
ユーザーは、見積書や図面、工事関連ファイルをアップロードします。するとAIが内容を読み取り、大項目から具体的なタスクまで、必要な工程をリストアップし、工程表のたたき台を自動的に作ってくれます。
さらに、自社が過去案件で使った実績のある工程表も参考にして工程を組み立てられるため、経験の浅い担当者でも、ゼロから作るよりずっと現場感のある工程表に近づけます。
これにより、工程表作成の仕事は、白紙を前に悩む作業から、AIが作ったたたき台を見ながら「この順番でよいか」「この期間で足りるか」「この工種は追加すべきか」と確認する作業へと変わります。
生成された工程表には、なぜその工程や期間が提案されたのかという根拠も表示されます。そこで、AIの出力をそのまま使うのではなく、「搬入経路が狭い」「協力会社の予定が詰まっている」「乾燥や養生に余裕を見たい」といった現場ごとの事情は、人間が判断して調整すればよいのです。
コンクルーAIは、工程表だけの単独ツールではありません。顧客・案件管理、見積・原価管理、受発注管理、施工管理、売上・粗利管理など、小さな建設会社の業務全体を一つのシステムにまとめたAIオールインワン業務管理ツールです。
そのため、別の業務で使ったデータを、
他の業務の入力データ
として使える点も、このサービスの見逃せないポイントです。
例えば、見積作成時に入力・生成された工事項目は、原価管理や発注に使えるだけでなく、工程表作成の材料にもなります。さらに、発注、請求、入金、支払いの情報がそろえば、案件ごとの粗利管理にも生かせます。
こうした業務システムは以前からありました。しかし、忙しい建設現場では、その「入力すること」自体が大きな壁でした。案件名、顧客名、見積明細、工程、発注内容などを、あちこちのExcelやシステムに何度も入力するのは、かなりの手間です。
コンクルーAIの面白さは、AIがその入口に立つことです。図面や見積書、工事関連ファイルを読み取り、必要な情報を整理し、次の業務へ流していく。つまり、一度入ったデータを、会社のあらゆる業務で使い回せるのです。
小さな会社ほど、入力や転記にかける時間は惜しいものです。AIが“小番頭”のようにその面倒を引き受けてくれるなら、人間はもっと現場判断や顧客対応に時間を使えるようになります。
これは「AIでよみがえるオールドIT」といってもよいでしょう。
コンクルーは今後、発注、原価・予算管理、協力会社との調整など、建設業の主要業務を担うAIエージェント群を順次拡充していく方針です。そのうち、会社全体の業務を一気通貫で管理する「AI基幹システム」のようになっていきそうですね。






















