間違えたRevit操作もAIが直す! ArentのLightningBIMが自律作業へ進化
2026年7月28日

管理人のイエイリです。

BIMモデルを作ったはいいものの、「この中にどんな部材が入っているのか」「3階のこの部屋にある照明設備の仕様は何か」「この条件に合う部材はいくつあるのか」となると、急にハードルが上がります。

設計者や施工管理者、発注者がBIMモデルを活用したくても、実際にはRevitに詳しいBIM担当者に聞かないと分からない。そんな場面は、まだまだ多いのではないでしょうか。

こうしたBIMのお困りごとに応えるべく、Arent(本社:東京都中央区)は、Revit連携型のAIエージェント「LightningBIM AI Agent」を大型アップデートし、このほどベータ版を公開しました。

人間が自然な言葉で聞くだけで、

ナ、ナ、ナ、ナント、

AIがBIMモデル内を検索

し、要素を探したり、数えたり、分析したりしてくれる機能を付けたのです。(Arentのプレスリリースはこちら

「LightningBIM AI Agent」をアドインしたRevitの画面。メニューをクリックする代わりに、自然言語で様々な操作が行える(以下の資料:Arent)

例えば、「このモデルには何がいくつあるか」「3階にある設備を調べて」「特定のタイプ名の部材を探して」といった問いに対し、AIがモデル全体の要素情報を把握したうえで回答します。

タイプ名や建物内の位置、フロアなどを組み合わせた複合条件での検索にも対応するとのことです。

今回の「LightningBIM AI Agent」のアップデートでは、モデル全体の構造を把握した検索・分析機能が強化されました。建物の構成要素数、階ごとの配置、部屋・空間情報などを俯瞰的に確認できるようになり、BIMモデルの“棚卸し”をAIに任せられるイメージです。

さらに注目したいのが、意匠、構造、設備などの担当範囲ごとに、複数人がRevitモデルを共同編集するときに使われる「ワークセット」に関するミス防止機能です。

Revit内の要素を意匠、構造、設備に分けて扱う「ワークセット」も自動作成でき

Revit内の要素を意匠、構造、設備に分けて扱う「ワークセット」も自動作成でき

Revitでは、要素を描いた瞬間に、その要素は「アクティブなワークセット」に自動的に入ります。そのため、例えば意匠壁を設備のワークセットに描いてしまうこともありますが、Revitは特にアラートを出してくれません。

こうした間違いが積み重なると、後でモデルを整理したり、担当分野ごとに分けたりするときに、なかなか厄介です。

そこで「LightningBIM AI Agent」に、「意匠・構造・設備のワークセットを作って、階ごとにも分けて、それぞれの要素を割り当てて」と指示すると、AIが作業内容を計画し、実行し、確認まで行います。

つまり、間違えたワークセットを

AIが自律的に修正

してくれるのです。

間違えて他のワークセットに紐づいた部材を自律修正する機能

間違えて他のワークセットに紐づいた部材を自律修正する機能

Arentの社内検証では、手作業で数時間を要していた複合的な作業が、2~3分で完了したそうです。これは、BIM担当者にとってはかなりありがたい進化ではないでしょうか。

また、AIに一度指示した操作を「コマンド」として保存し、次回以降はワンクリックで再実行することもできます。対象や条件を自然言語で変えたり、処理を追加したりすることも可能とのことです。

BIM担当者に聞かないと分からなかったモデルの中身を、AIに聞ける。繰り返し作業はコマンド化し、複雑な作業はAIが段取りを考えて実行する。これは、BIMを設計の道具から、“現場で使える情報基盤”へ近づけるチャレンジと言えそうです。

【イエイリの建設DX先読み】

これまでBIMの品質管理は、社内ルールやBIMマネージャーによる目視チェックや手作業に頼る部分が多くありました。

しかしAIエージェントが進化すれば、「この会社ではワークセットをこう分ける」「この段階では不要な要素を残さない」といったBIM運用ルールそのものをAIに覚えさせ、モデル作成中に自動チェックさせることも考えられます。

将来は、BIMマネージャーがAIに社内標準を教え、AIが各プロジェクトのRevitモデルを常時見守る。そんな“BIM品質管理の自動運転”に発展するかもしれません。

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