クレーン介錯作業を超人化! 川田工業とレントが「EGガイド」を開発、レンタルへ
2026年7月15日

管理人のイエイリです。

橋梁架設や鉄骨建方の現場で、クレーンで部材を吊り上げるとき、地味ながら重要なのが「介錯作業」です。吊荷にロープを付け、作業員が引っ張りながら、部材の回転や荷振れを抑える作業ですね。

ところが、橋桁のような大きな部材になると、風を受けた吊荷はなかなか手ごわいものです。ロープも1本では済まず、何人もの作業員が分担して引く“人海戦術”になりがちです。

しかも、いつ張るか、いつ緩めるかは、ベテランの経験と感覚が頼りです。突風で吊荷が振れると、ロープに引かれて転倒したり、つまずいたりする危険もあります。

クレーンで部材を吊り上げるときの介錯作業(以下の写真、資料:レント)

クレーンで部材を吊り上げるときの介錯作業(以下の写真、資料:レント)

川田工業(本社:富山県南砺市)とレント(本社:静岡市)は、今も現場に残るこの人力作業を、

ナ、ナ、ナ、ナント、

ロボット化するマシン

を共同開発したのです。(レントのプレスリリースはこちら

吊荷ロープ介錯装置「EGガイド」の構成

吊荷ロープ介錯装置「EGガイド」の構成

現場での使用例

現場での使用例

このマシンは、吊荷ロープ介錯装置「EGガイド」です。人間が体で受け止めていたロープ張力を機械の力で肩代わりし、最大7.5kNの制動力で吊荷の姿勢を保ち、荷振れを抑えます。

まさに、何人もの介錯作業員の腕力と踏ん張り力を担う“超人化マシン”と言えそうですね。

大型の橋梁部材の介錯作業も少人数で行える

大型の橋梁部材の介錯作業も少人数で行える

使い方は、まずロープ介錯の障害物がない場所にEGガイドを据え付けます。次に、装置からロープを引き出して吊荷に接続します。ロープは最長50m、有効長46mです。

荷吊作業中は、作業者が手動式レバーで張力を調整します。静止した吊荷の姿勢を保つ場合は、ロープの繰り出しを停止します。作業後は、吊荷からロープを外し、ドラムに巻き取ります。

ロープの繰り出しや固定の制御は作業者が手動式レバーで行う

ロープの繰り出しや固定の制御は作業者が手動式レバーで行う

本体寸法は幅995mm、長さ2082mm、高さ1091mm、質量は1920kgです。かなりの重量級ですが、これは最大7.5kNのロープ張力を受け止める“踏ん張り役”として見ると納得できます。

国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」にも登録されており、登録番号はKK-230025-Aです。

こうしたマシンは、つい完全自動化を目指したくなりますが、この装置の場合は、

“人機一体”型制御

にしている点も面白いところです。

吊荷の動きを完全自動で判断しようとすれば、風、揺れ、回転、ロープ張力、周囲の障害物、クレーンの動きなどを測るセンサーや、高度な制御アルゴリズムが必要になります。装置も複雑になり、現場で使うハードルは高くなるでしょう。

その点、EGガイドは、あえて作業員のアナログな感覚を残しています。人間が吊荷や周囲の状況を見て判断し、手動式レバーで張力を調整するのです。

一方、マシンはロープ張力を保持し、荷振れを抑える力仕事を担当します。つまり「人は判断、機械は踏ん張り」という、現場向きの人機一体型システムなのです。

通常使用時のロープ張力は、吊荷重量の約1%程度で済むため、クレーンの巻き上げや旋回動作への影響も抑えられるとのことです。力任せに吊荷を引くのではなく、必要な張力を安定して保つところにミソがあります。

【イエイリの建設DX先読み】

将来、軽量タイプや建物側に固定するタイプなどに発展すれば、高層建方や屋上鉄骨工事にも応用範囲が広がるかもしれませんね。

ベテランの感覚を生かしながら、危険で重い作業をマシンに任せる。EGガイドは、そんな現場実装型DXの頼もしい一手と言えそうです。

このマシンは、2026年8月からレンタル開始する予定です。また、2026年7月15日(水)~17日(金)に東京ビッグサイトで開催される「メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2026」のレントブース(ブース番号:東3-N15)にも出展されるそうです。ご興味のある方は、出掛けてみてはいかがでしょうか。

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