管理人のイエイリです。
建築現場の内装工事では、石こうボードなどの建築内装仕上げ材を、現場の柱や梁、デッキプレート、配管などの形に合わせて切り欠く「現場合わせ」の加工がよくあります。
これが、なかなか大変です。
まず現場で寸法を測り、手書き図やボードへの墨付けで加工形状を描き、職人さんがカッターや工具で切る。単純な四角形ならまだしも、H鋼やデッキプレートまわりの複雑な形状になると、熟練技能工の経験と手間に頼る部分が大きくなります。
そんなアナログチックなお困りごとに対し、竹中工務店(本社:大阪市中央区)と爽美(本社:大阪市北区)が、画期的なシステムを開発しました。
職人さんが現場で手書きした図をスマートフォンなどで撮影するだけで、
ナ、ナ、ナ、ナント、
AIがボードを自動加工
してくれるのです。(竹中工務店のプレスリリースはこちら)
このシステムは、石こうボードなどの内装材を、CNC(コンピューター数値制御)ルーターのように切り抜く加工アシスト機「i-Bow2」向けに開発されたものです。
職人さんが描いた手書き図をスマートフォンなどで撮影すると、AIがその画像を解析し、加工用CADデータを自動生成します。生成されたCADデータは「i-Bow2」に送られ、ボード材の加工に使われます。
つまり、職人さんが現場で描いてきた手書き図を、AIが“読める加工データ”に翻訳し、そのまま自動加工へつなげるわけです。
この仕組みの中心になるのが、加工用CAD図自動生成アプリ「AI i-Bow」です。「AI i-Bow」は、クラウド基盤「i-Bow Cloud」上に実装され、撮影した手書き図画像や、AIが生成したCADデータを集約管理できます。
従来の「i-Bow2」は、スマートフォン・タブレット専用CADアプリ「YUBI CAD」を使い、加工したい図形や曲面を指で直感的に作図し、ボード材を自動加工する仕組みでした。
今回の「AI i-Bow」によって、その作図作業がさらに進化しました。手書き図を撮影するだけで、加工用CADデータを作れるようになったのです。
さらに、手書き図の画像やAI生成データを「i-Bow Cloud」で管理すれば、現場の技能工、職長、施工管理者、加工担当者が、
同じ加工情報を共有
しやすくなります。
図面、メモ、口頭指示がバラバラになりがちな現場で、加工情報をクラウドに集められるのは、地味ながら効きそうです。
内装ボード工事の“現場合わせ”は、長らく熟練技能工の腕に支えられてきました。この技術の面白いところは、その職人さんのアナログな手書き図を否定するのではなく、生かしながらデジタル施工へつなげている点です。
次に残る大きなテーマは、最初の「現場を測る」作業でしょう。
ここに3DスキャンやBIM、点群処理が加われば、現場形状を自動計測し、加工図を自動生成し、「i-Bow2」で自動加工するという流れも見えてきます。
実際に爽美は、金沢大学製造技術研究所との共同研究を行っており、設計BIMファイルと3Dスキャン結果を同期させたBIMから、躯体や軽鉄下地、開口、配管、不陸などを統合。
施工順序や部分加工などの計画を組み立てる「壁面自動認識CAPP」の研究開発も進めています。今後の展開が楽しみですね。
このシステムの詳細については、爽美のYouTube動画がとてもわかりやすいです。ご興味のある方はどうぞ!




















