管理人のイエイリです。
建設現場では今、ドローンやスマートフォン、タブレットなどを使って、写真や動画、オルソ画像、点群、DSMなど、さまざまな空間データを取れるようになりました。
しかし、問題はその後です。現場で撮った写真をパソコンに取り込み、フォルダに分け、ファイル名を直し、点群やオルソ画像を別ソフトに読み込ませ、土量計算の結果をExcelやPowerPointにコピペする――。
便利なデータを使うはずが、気が付けば「取り込み地獄」や「エクスポート/インポート地獄」、「コピペ地獄」にハマっていることも少なくありません。
そんな現場でありがちな“地獄問題”の解消に、スカイマティクス(本社:東京都中央区)が乗り出しました。
スマホやタブレットで使える同社の空間データ統合プラットフォーム「くみき」に、
ナ、ナ、ナ、ナント、
土量報告書の自動作成
など、高度なレポート機能を追加したのです。(スカイマティクスのプレスリリースはこちら)
「くみき」は、ドローンなどで取得した写真やオルソ画像、点群、DSMなどを、クラウド上で一つの地図にまとめて管理・活用できるサービスです。
今回、新たに追加されたのは、「写真台帳機能」「差分土量レポート出力」「3Dビューワー刷新」「スワイプ比較機能」の4つです。
このうち差分土量レポート出力では、スマホで現場の点群計測を行って終わりではありません。設計データと地形データ、または2時期の地形データを比較して算出した切土量・盛土量を、数値と画像がセットになった土量報告書にまとめてくれるのです。
この報告書は、ワンクリックでダウンロード・印刷できます。土量を計算するだけでなく、発注者への説明や社内共有、施工・運搬計画の検討に使える資料まで出せるところがポイントです。
写真台帳機能では、「くみき」に保存された写真を撮影時期やタグで検索し、一括選択するだけで、写真台帳を自動生成・出力できます。タイトルやコメントの編集、縦・横レイアウトの調整にも対応しています。
これなら、進捗報告、是正報告、現場パトロール、完成検査、施工前後の記録などに使う報告書を、パソコンに取り込むまでもなく、現場にいながら完成までもっていけそうです。
3Dビューワーも刷新されました。これまでは、点群・3Dテクスチャを扱う3Dビューワーと、オルソ画像などを扱う2Dビューワーで操作方法を切り替える必要がありました。
今回、3Dビューワーの操作体系を2Dビューワーと統一し、同じ感覚で操作できるようにしました。
さらにスワイプ比較機能では、異なる時期のオルソ画像などを重ね、スライダーを動かすだけで変化箇所を確認できます。施工前後の比較、進捗確認、災害前後の被害状況把握、林地の伐採・変状モニタリングなどに使えます。
つまり、点群やオルソ画像などの“報告書素材”を作って終わりではありません。そこから写真台帳を作り、差分土量をレポート化し、2D・3Dで確認し、施工前後の変化を比較するところまでを、一つの「ワークフロー」として扱えるようになったのです。
その結果、さまざまなデータを取り出して、別ソフトに渡し、資料にまとめる作業にまつわる
各種地獄が解消
されるわけです。
これまでスマホやタブレットといえば、パソコン作業を現場で補助するためのデータ収集端末と見られがちでした。
しかし、その場で報告書や写真台帳のような“完成品”まで作れるとなると、話は変わります。もはやパソコンの子機ではなく、現場に潜む各種“地獄”をまとめて解消するDX端末として、新たな価値を発揮し始めたのです。
現場のDXは、紙やExcelをデジタルに置き換える段階から、現場の空間データをワークフローに乗せて蓄積し、比較し、判断に使う段階へ進んできました。
【イエイリの建設DX先読み】
これまでスマートフォンやタブレットは、現場で写真や点群を取ったり、写真を分類したりする道具として使われてきました。
しかし今後は、取得した写真や動画、点群がその場で地図や3Dモデルにひも付き、土量レポートや写真台帳、進捗報告書までを現場にいながら仕上げる段階へ進化していきそうです。
施工管理者は、ファイル整理やコピペ作業に追われるのではなく、現場でタブレットを見ながら「発注者にどう説明するか」「次にどのデータを押さえるか」を前倒しで考えられます。
モバイル端末は、現場の“地獄解消ツール”から、工事の完成イメージを前倒しする“現場DXの司令塔”へと、さらに進化していきそうです。























