下水道管を1.6km飛んだ謎が判明! DRONE SPORTSのRangle Xは有線ドローンだった
2026年7月31日

管理人のイエイリです。

道路下に張り巡らされた下水道管渠の中は、GPSが届かず、無線も通りにくい場所です。そのため、ドローンによる点検は、マンホールから数百メートル程度が限度というのが、これまでの常識でした。

そんな中、DRONE SPORTS(本社:横浜市港北区)は2026年5月12日、同社の下水道管渠専用ドローン「Rangle X」改良版で、某自治体の汚水管渠1.6kmをノンストップ飛行したことを発表しました。(DRONE SPORTSのプレスリリースはこちら

下水管渠内飛行1.6km達成を報じるプレスリリース。ドローンの詳細は明らかにされていなかった(以下の資料:DRONE SPORTS)

下水管渠内飛行1.6km達成を報じるプレスリリース。ドローンの詳細は明らかにされていなかった(以下の資料:DRONE SPORTS)

いったい、どんな方法でGPSや無線通信の問題をクリアしたのでしょうか。

その謎が、このほど明らかになりました。

1.6kmもの長距離飛行を行ったのは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

光ファイバー有線ドローン

「Rangle X」だったのです。(DRONE SPORTSのプレスリリースはこちら

光ファイバー有線ドローン「Rangle X」の外観

光ファイバー有線ドローン「Rangle X」の外観

3000mもの光ファイバーを搭載し、通信の命綱となる

3000mもの光ファイバーを搭載し、通信の命綱となる

「Rangle X」は、機体設計、光ファイバー通信、飛行制御を一体的に最適化した下水道管渠点検用ドローンです。サイズは幅340×奥行330×高さ200mm。標準適用範囲はφ2000mm以上で、現場飛行実績はφ1000~4750mmとされています。

最大の注目点は、光ファイバー搭載長さが3000mもあることです。

この光ファイバーを、ドローンとマンホール外のパイロットをつなぐ“通信の命綱”として使うことで、無線通信が届きにくい屈曲部を含む管渠でも、安定した管内映像の取得や遠隔操作を可能にします。

作業員が下水管内に入らずに点検できることも、大きなポイントです。「Rangle X」は、国土交通省の「管内No Entry」調査に対応しており、酸欠や有毒ガスへの曝露リスクを減らしながら、既存機器では確認が難しかった未調査区間を映像で可視化できます。

従来の無線式ドローンや、走行式ロボット、管渠内ボートが、屈曲や段差、無線通信の限界などで進めない――。

その

“さらに先”の区間

を、有線式ドローンで見に行くという、下水道点検の新しい選択肢が登場したのは心強いですね。

従来の無線式ドローンや走行式ロボットなどが到達できない区間の点検方法として、新たな選択肢が生まれた

従来の無線式ドローンや走行式ロボットなどが到達できない区間の点検方法として、新たな選択肢が生まれた

ただし、「3000mの光ファイバー」と聞くと、技術好きの読者なら、いろいろ気になってくるはずです。

そんな長さを、本当にドローンに積めるのか。

飛行中にどう繰り出すのか。

点検後に巻き戻すのか。

リールが回るなら、光ファイバー用の回転継手を使うのか――。

それとも、ウクライナの戦場で話題になった光ファイバー式ドローンのように、特殊巻きの細い光ファイバーを飛びながら後方へほどいていく、使い捨てスプール方式なのでしょうか。

このあたりは、プレスリリースだけでは分かりません。

「Rangle X」は、2026年8月4日(火)~8月7日(金)に東京ビッグサイトで開催される「下水道展’26東京」のDRONE SPORTSブース(西1ホール、小間番号:AT-109)で初公開されます。

3000mもの光ファイバーは、どのように積み、どう繰り出し、点検後にどう扱うのか。

ここは実機を見ながら確認したい、お楽しみポイントです。ご興味のある方は、ブースを訪ねて担当者に聞いてみてはいかがでしょうか。

【イエイリの建設DX先読み】

今回、ドローンにも積めるほど細く軽い長距離光ファイバーで、地下管渠の通信を確保できる可能性が見えてきました。

今後は、トンネルや地下共同溝、橋梁内部、プラント設備の奥深くなど、無線が届きにくい現場での新たな通信手段として広がりそうです。

映像だけでなく、3Dスキャンや環境センサーのデータも光ファイバー経由で安定送信できれば、「電波が届かないからDXできない」という現場の壁を、光の糸が突破してくれるかもしれません。

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