地中レーダーを自走ロボットに搭載! アトラックラボが地下埋設物調査を自動化
2026年8月6日

管理人のイエイリです。

道路や工場、プラントなどで工事を行うとき、意外にやっかいなのが、地下に埋まっている配管やケーブルなどの位置を正確に把握することです。

図面上では「何もない」はずの場所に、古い埋設管や空洞が残っていたりすると、工事の手戻りや事故、工程遅れにつながりかねません。

こうした地下の状況を調べるため、これまでは手押し式の地中レーダーを使い、作業員が現場を歩きながら調査する方法が行われてきました。しかし、広い範囲を人が歩いて調べるのは重労働です。歩く速度や測線の間隔によって、計測データにばらつきが出ることもあります。

そんな現場のお困りごとに応えて、アトラックラボ(本社:埼玉県入間郡三芳町)は、アイメイヨ(本社:埼玉県本庄市)と共同で、新たな地中探査システムを開発しました。

地中レーダーを、

ナ、ナ、ナ、ナント、

自律走行ロボットに搭載

したのです。(アトラックラボのプレスリリースはこちら

自律走行型地中レーダー探査システム「AT-GROUND SCAN」(以下の写真、資料:アトラックラボ)

自律走行型地中レーダー探査システム「AT-GROUND SCAN」(以下の写真、資料:アトラックラボ)

この製品は、自律走行型地中レーダー探査システム「AT-GROUND SCAN」というものです。地中レーダーを搭載したロボットが、お掃除ロボットのように現場を走行しながら、地下の空洞や埋設物を調べていきます。

先日の当ブログ(2026年7月29日付)でもご紹介した、アトラックラボの「AT-Crawler」をベースに、地中レーダー(GPR)、LiDAR SLAM、自律走行装置などを組み合わせた地中探査プラットフォームです。

地中レーダーは、地面に向けて電波を出し、その反射を読み取ることで、地下空洞や埋設管、ケーブル、水路などを調べる非破壊探査技術です。地面を掘らずに、地下の“見えないリスク”を探れるのが大きな特徴です。

AT-GROUND SCANでは、この地中レーダーの探査データと、LiDARによる位置情報を統合し、地下空洞や埋設物などを三次元マップとして可視化します。補修計画や維持管理、経年変化の確認にも活用できるとのことです。

また、モジュール型フレームを採用しているため、多様なメーカーや機種の地中レーダーに対応できます。顧客が保有する地中レーダーも搭載可能とのことなので、手持ちの調査機器を“ロボット化”するような使い方も考えられます。

さらに注目したいのが、

GNSSが利用できない場所

でも走行できる点です。

AT-GROUND SCANは、3D LiDARとSLAM技術により、屋内や地下施設でも自己位置を推定しながら走行できます。障害物を回避しながら、設定されたルートを自律走行するため、工場やプラント、トンネル、地下施設のほか、立ち入りが危険な現場などでも活躍の場がありそうです。

制御には、ロボット開発用のオープンソース「ROS 2」を採用しています。グリッド走行、平行測線、任意形状のエリア走査など、地中レーダー探査に適したルートを設定できます。人が押して歩いていた調査を、一定速度・一定間隔でロボットが繰り返し行えるわけです。

今後は、アトラックラボのAI自律制御システム「AT-SYNAPSE」と連携し、探査データから異常候補を自動抽出する機能も予定されています。詳しく調べるべき場所を見つけると、ロボットが自律的に再測定する機能も視野に入れています。

ChatGPTやClaude、Geminiをロボットの頭脳として活用する自律制御システム「AT-SYNAPSE」のイメージ

ChatGPTやClaude、Geminiをロボットの頭脳として活用する自律制御システム「AT-SYNAPSE」のイメージ

つまり、点検ロボットが「ここ、ちょっと怪しいぞ」と見つけて、自分でもう一度見に行くわけです。これは、なかなか未来感がありますね。

【イエイリの建設DX先読み】

地中レーダーと同様に、鉄筋探査機、超音波厚さ計、打音検査器なども、これまでは専門技術者が現場で測定器を押したり、壁に押し付けたり、重い機材を持ち上げたり、目をこらして確認したりしてきた作業です。

今回のように、自律走行ロボットの活動範囲が広がっていくと、人間は危険でつらい人力測定器作業から解放され、取得された3Dデータや異常候補を見て判断する側に回れます。地中レーダーのロボット化は、現場測定作業の“超人化”への第一歩と言えるのではないでしょうか。

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