管理人のイエイリです。
建設現場では、紙の点検表に記入した内容を事務所でパソコンへ入力したり、口頭で指示した内容を後で施工管理システムへ登録したりすることが、まだ珍しくありません。
せっかく生成AIが進化しても、現場で生まれる紙や音声の情報を業務に生かすには、その前に「現場の出来事をデータにする」という地味な作業が必要なのです。
そこでアルダグラム(本社:東京都港区)は、現場AIプラットフォーム「KANNA(カンナ)」に
ナ、ナ、ナ、ナント、
帳票や音声指示をデータ化
するなど、4つの新機能を搭載したのです。(アルダグラムのプレスリリースはこちら)
まず「帳票 AI OCR」は、手書きの帳票をスマートフォンで撮影すると、AIが記入内容を読み取り、KANNAのレポート項目に合わせて自動で整形・入力する機能です。
例えば現場で紙の点検表に日付や測定値、チェック結果を書いた後、スマホで撮るだけで、数値、日付、チェックボックスなどをKANNAの対応する項目へ自動入力してくれます。
手書き帳票をスマートフォンで撮影し、AIがKANNAのレポート項目へ入力する「帳票 AI OCR」●
「報告 音声AI」は、KANNAで報告を作成するとき、スマホに向かって話すだけで、その内容をAIが該当する入力項目へ自動入力する機能です。
現場の状況や作業内容をまとめて話すだけで、AIが“子分”のように文字起こしし、報告書の形に整理してくれるのがポイントです。
さらに「タスク 音声AI」では、口頭で伝えた内容から、KANNA上で各担当者がやるべき仕事を「タスク」として作成できます。
例えば「田中さんに、明日までに3階の配管検査をお願い」と話すと、AIが「担当者」「期日」「タスク内容」などを読み取り、それぞれの項目へ振り分けてタスクを作成し、田中さんにも通知されます。
現場巡回中に気付いた作業を、その場で声にして登録できるので、「後で入力しよう」と覚えておく負担も減らせそうです。
ここまでの3機能は、紙や口頭で発生した情報をデジタル化し、KANNAに蓄積するための仕組みです。
そして今回、建設ITブログとして特に注目したいのが、4つ目の「KANNA MCPサーバー」です。
MCPというのは、
他のAIから使ってもらう
ための仕組みで、「Model Context Protocol」の略です。
例えば、Claude CodeやChatGPTなどの外部AIから「KANNAの帳票のデータはどうなっているの」と聞けば、KANNAをいちいち開かなくても、そのデータや機能を使えるというものです。
つまり、外部AIから自然言語で指示すれば、KANNAに蓄積された現場データを検索、抽出、要約したり、案件を作成したりできるようになります。外部AIとKANNAのAIを「ダブルで使う」ことも可能になります。
もちろん、参照・操作できる情報や機能は、接続したKANNAアカウントの権限範囲内に限られます。
言い換えると、アルダグラムはKANNAを人間だけが操作するシステムにとどめず、いろいろな外部AIからも使ってもらえるように、AIに対して積極的に門戸を開いたわけです。
アルダグラムは今後、蓄積・連携された現場データをAIが活用し、顧客業務を支援・自動化する「KANNAエージェント」の開発も進める方針です。
【イエイリの建設DX先読み】
MCP対応は、建設情報を豊富に持つBIMや施工管理アプリから広がり始めています。今回の「KANNA MCPサーバー」のほか、AutodeskもRevit 2027に「Revit Public MCP Server」を搭載し、AutoCADやCivil 3D向けのMCP Serverも公開しています。
これらのアプリには、部材や属性、数量、現場写真、報告、工程など、AIにとって価値の高い建設情報が大量に蓄積されています。そこでMCPを“接続口”として設け、外部AIからその情報を直接検索・分析できるようにしようという流れです。
今後、BIM、CAD、施工管理、工程管理などがMCPでAIにつながれば、人間が各アプリを別々に開いて情報を探し、結果を突き合わせる代わりに、AIが複数システムを横断して答えを探す使い方が広がりそうです。
今回のKANNA MCPサーバーは、そんな建設DXの変化を先取りする一歩と言えそうですね。






















