管理人のイエイリです。
建設DXというと、これまでは施工会社や建設コンサルが主役になりがちでした。しかし発注者である自治体も、技術職員の減少やベテランのノウハウ継承という悩みを抱えています。
そこで京都市建設局が導入したのが、燈(あかり。本社:東京都千代田区)が提供する建設業界特化生成AIエージェント「光/Hikari」です。
800冊を超える専門書籍や関連法規をもとに、設計基準やマニュアルの検索、一次判断、書類のたたき台作成などの業務を支援するものです。
ナ、ナ、ナ、ナント、
発注者版AIバディ
とも言えそうな使い方なのです。(燈のプレスリリースはこちら)
先日、建設ITブログでは八千代エンジニヤリングが技術者一人ひとりに「AIバディ」を付ける取り組みを紹介しました。今回の京都市建設局は、それに近い発想を発注者側で進めるものです。
例えば、外部委託会社から提出された設計計算書や工法比較表を「光/Hikari」に読み込ませ、現場条件に合っているかを多角的に検証します。
また、施工ステップ図と現場写真を読み込ませ、新設部、撤去部、使用重機などを色分けしたイラストを作ることも想定しています。若手職員の理解や住民説明にも使えそうです。
橋梁部門では、過去資料を整理してAIに読み込ませ、必要な情報を検索できるようにします。災害時には、復旧工法の選定や概算予算の算出にも活用する計画です。
AIに全部を任せるのではなく、AIが下調べや整理を行い、技術職員が確認して判断する“人機一体”の仕事に近づいていきそうです。
一方、福岡県は県内の建設会社にDXを広げる取り組みを始めました。
無料の「建設業DX診断ツール」は、8つの質問に答えるだけで、自社のDXの進み具合を確認できます。ICT施工、ASP(工事情報共有システム)、遠隔臨場、分業体制などが診断項目です。(福岡県のプレスリリースはこちら)
さらに経営者研修会や、今後予定するICT施工体験会まで組み合わせ、DXの「診断→勉強→体験」へとつなげます。
ここで気になるのは、「役所が民間にDXを勧めるだけなのか」という点です。福岡県県土整備部ではICT活用工事やASP、遠隔臨場、BIM/CIM、電子納品などを進めています。県庁全体でも生成AIを行政事務に利用するガイドラインを整備しています。
つまり、
まず隗より始めよのDX
と言えそうです。
京都市建設局は「役所自身をAIでDX」、福岡県は「自らDXしながら地域企業にも広げる」。役所が建設DXをお願いする側から、自ら使って広げる側へと変わり始めています。
【イエイリの建設DX先読み】
先日は受注者側の八千代エンジニヤリングに「AIバディ」、今回は発注者側の京都市建設局にも建設特化AIが入りました。そうなると役所の業務もスピードアップし、受注者からの込み入った問い合わせにも「ワンデーレスポンス」で対応できる場面が増えるかもしれません。
また、受注者がAIで設計計算や工法比較を行い、発注者側もAIで成果品をチェックする、という光景が珍しくなくなるかもしれません。そうなると、双方でやり取りする設計成果品や施工記録などの書類も、おのずとAIが読みやすい電子化が促され、「真の電子納品時代」がやってきそうです。
発注者と受注者の双方がAIを相棒にしながら、人間同士はより高度な技術判断や合意形成に集中する。そんな人機一体の公共工事へ進んでいきそうですね。





















