ちょっとしたアプリをAIで現場開発! renueの「土木HUB」で各種地獄から脱却
2026年9月14日

管理人のイエイリです。

建設現場では施工管理システムやCAD、BIM/CIMなどの導入が進む一方、KY活動記録、作業日報、出来形チェックなど、会社や工種ごとに違う“名もなきExcel業務”が残っています。

アプリを使っても、最後は会社指定のExcelへ転記――という「コピペ地獄」「転記地獄」も珍しくありません。

そこでrenue(リニュー)が提供を始めたのが、土木・建設現場向けサービス「土木HUB」です。

このサービスの面白いところは、用意されたアプリを使うだけではありません。

ナ、ナ、ナ、ナント、

現場開発

によって、現場の仕事を効率化する「ちょっとしたアプリ」をAIとの会話で自分たちで作れるのです。(renueのプレスリリースはこちら)

「土木HUB」のアプリ画面例。KYアシスタントでは作業内容や天候を入力するとAIが危険要因と対策を下書きする(以下の資料:renue)

「土木HUB」のアプリ画面例。KYアシスタントでは作業内容や天候を入力するとAIが危険要因と対策を下書きする(以下の資料:renue)

現場記録の一覧。1行ごとに承認の状態が表示され、承認済みの記録は書き換えできない
現場記録の一覧。1行ごとに承認の状態が表示され、承認済みの記録は書き換えできない

「ちょっとしたアプリ」とは、既存の業務用アプリで作った書類やデータを、社内用のExcel書式に転記するなど、コピペや入力の手間を省くような、市販ソフトではなかなか解決できない業務を自動化するものをイメージするとわかりやすいでしょう。

例えば上の「KYアシスタント」は、KY活動の報告書を作るとき、AIが危険要因と対策を下書きしてくれるアプリです。作業員は一から入力することなく、確認や修正を行って提出すればよいので、入力はかなり楽になります。

アプリを手軽に作れるようにするため、「土木HUB」にはKY活動記録や作業日報、出来形チェック、資材・工具チェックなどの雛形があり、「この項目を足したい」「この欄はいらない」とAIに伝えて修正できます。

数量拾い、熱中症チェック、近隣への挨拶回り先の洗い出しといった用途も想定されています。

こうして作ったアプリは、QRコードで現場関係者に配布し、使ってもらうことができます。

現場ごとに使うアプリを選び、QRコードで配布できる

現場ごとに使うアプリを選び、QRコードで配布できる

もう一つのポイントは、承認が済んだデータを、

会社用のExcel帳票へ

書き出せることです。

アプリが既存のシステムや帳票の間をつないでくれるので、写真も記録とともに扱えます。また、山間部やトンネルなど携帯電話の圏外でも新規入力し、通信復旧後に自動送信できる機能も付いています。

「土木HUB」はClaude CodeのAgent SDKとCodexを利用者ごとの隔離コンテナ内で動かし、外部通信を原則遮断します。会社が許可した通信先だけを追加できる仕組みです。

また、誰がアプリを作れるか、誰に公開できるか、管理者確認を必須にするかも会社側で設定できるので、“野良アプリ”の蔓延をコントロールすることも可能です。

つまり、現場開発を禁止するのではなく、会社のガバナンス下で進める仕組みです。

例えば4時間で作ったアプリによって、毎日30分の転記作業を年間200日なくすことができれば、100時間の削減となり、単純計算では開発工数の25倍となります。これは「土木HUB」の実測値ではありませんが、小さな改善でも繰り返し使えばDXの採算が合いやすくなることを示します。

renueは今後、KY活動記録や作業日報から対応帳票を広げ、工種別様式や会社独自の手順・基準もアプリ作成時に反映できるようにする計画です。

【イエイリの建設DX先読み】

最近、SNSや実際に見聞きした情報では、Claude CodeやChatGPTなどの生成AIを使って、自分の仕事のやり方をAIに教え、自分専用のアプリを作る現場の技術者が増えてきたように感じます。

生成AIによって変わりそうなのは、「誰がアプリを作るのか」です。これまで現場技術者はソフトを使う側でしたが、今後は帳票だけでなく、数量拾い、古い図面のCAD化、写真整理、出来形確認、3Dモデル作成など、ちょっとした手作業を自動化する「現場開発」が広がるかもしれません。

「本社が作るDX」から「現場が作るDX」へ。生成AIは、現場技術者をアプリのユーザーから開発者へ変えていきそうですね。

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