水中ドローンが“働くマシン”に! ジュンテクノサービスが維持管理DX
2026年9月15日

管理人のイエイリです。

港湾の桟橋やダム、取水設備など、水中にある構造物を点検するとき、厄介なのが貝類や海藻などの付着物です。せっかくカメラを近づけても、肝心のコンクリートや鋼材の表面が見えなければ、劣化の状態を確認できません。

こうした付着物を取り除く作業は、潜水作業員が水中に入って行うこともあります。船舶なら、本格的な船底洗浄や整備のためにドックへの入渠や陸揚げが必要になるケースもあります。

そこでジュンテクノサービス(本社:埼玉県川越市)が目を付けたのが、産業用水中ROV「FIFISH W6 MAX」の活用です。

水中ドローンを単なる「水中の目」で終わらせず、

ナ、ナ、ナ、ナント、

高圧洗浄機を搭載

して、水中ドローン自らに付着物の洗浄を行わせようというのです。(ジュンテクノサービスのプレスリリースはこちら)

高圧洗浄機を搭載した水中ドローンで付着物の洗浄を行うイメージ(以下の資料:ジュンテクノサービス)

高圧洗浄機を搭載した水中ドローンで付着物の洗浄を行うイメージ(以下の資料:ジュンテクノサービス)

付着物の洗浄中の様子

付着物の洗浄中の様子

使い方をイメージすると、まずオペレーターが陸上や船上からFIFISH W6 MAXを操作し、対象となる船底や岸壁、ダムなどへ接近させます。搭載カメラで対象物を確認しながら、高圧洗浄ユニットによって貝類や海生生物などの付着物を除去します。

そして、きれいになった表面をそのままFIFISH W6 MAXのカメラで確認します。つまり、「探す→近づく→洗う→見る」という一連の作業を、ROVを回収せずに続けて行う考え方です。

FIFISH W6 MAXは、最大前進速度4.5ノット、最大15kgの有効ペイロード、最大潜航深度350mに対応します。前方と下方のQ-DVLを使った定点保持や耐流性能を備え、陸上からの直給電によって長時間運用も可能です。

FIFISH W6 MAX+高圧洗浄システム一式

FIFISH W6 MAX+高圧洗浄システム一式

埼玉県川越市で行った高圧洗浄システムの稼働時の様子。高圧洗浄機の反力を支えるため、反対側にも水を吹き出しているようだ

埼玉県川越市で行った高圧洗浄システムの稼働時の様子。高圧洗浄機の反力を支えるため、反対側にも水を吹き出しているようだ

高圧洗浄機の反力を支えるため、反対側にも水を吹き出しているようだ●

さらにQYSEAの製品情報によると、前方・下方DVLとAIアルゴリズムを組み合わせて全方位での定点保持や衝突回避を行えるほか、ダムなどの立面では構造物から一定距離を保ちながら自動航行する機能も備えています。

ペイロードは15kgもあるので、高圧洗浄ツールのほか、超音波厚さ測定計や陰極防食ツールなど、各種作業ツールを搭載できるのも特徴です。

水中ドローンは撮影だけでなく、

水中での作業マシン

へと、活用範囲が広がっていきそうです。

例えば桟橋の鋼管杭やコンクリート杭、ダム堤体や取水設備、水門周辺などでも、これまで潜水士が行っていた洗浄や計測などの作業をROVに置き換えられれば、安全面や省人化の効果が期待できます。

実際の産業用水中ROV活用現場の様子。潜水士が行っていた過酷な作業も、安全で快適な場所から行えるようになりそうだ

実際の産業用水中ROV活用現場の様子。潜水士が行っていた過酷な作業も、安全で快適な場所から行えるようになりそうだ

ジュンテクノサービスは今後、様々な現場条件で有用性や運用方法を検証していく予定です。

また2026年9月25日(金)に御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターで開催される「ドローンジャーナルコンファレンス&エキスポ 2026 秋」に出展し、FIFISH W6 MAXの実機と高圧洗浄システムの構成を展示する予定ですので、ご興味のある方は出かけてみてはいかがでしょうか。

【イエイリの建設DX先読み】

水中カメラによる点検には大きな弱点があります。それは水が濁っていると、構造物が見えないことです。しかし、高圧洗浄水の水流の脇にカメラを取り付けることができれば、濁った水中でも「透明な覗き穴」をつくれるかもしれません。

さらにダム堤体などに沿って一定距離で走らせ、局所的に撮影した画像を順番につなぎ合わせれば、視界が狭くても、水中に沈んだ壁面全体を1枚の展開図として可視化できる可能性があります。

そうなると、画像解析AIによるひび割れや錆などの発見や、前年の画像と比較して変化を追う、といった使い方も広がり、水中構造物の“見える化”が一気に進みそうです。

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