写真測量システム活用事例(TSトラッキングUAS)
2018年9月8日

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新技術を積極的に採用することで”働き方改革”まで実現

以前3Dレーザースキャナー『GLS-2000』についてお話を伺った、北海道函館市を拠点に道南地方をカバーする総合建設業者である齊藤建設株式会社様。i-Constructionプロジェクトチームの活動も進まれており、今では3D計測機器やICT建機なども揃い、外注を一切せずに自社で全工程をこなしているそうだ。そんな同社が、写真測量システム『TSトラッキングUAS』を導入いただいたので、再びお話を伺うことにした。

経験があるからこそ理解できる『TSトラッキングUAS』のメリット。

同社では『TSトラッキングUAS』を導入する前から、すでにエンルート社製QC730(UAV機体)と当社の3D画像計測統合ソフトウェア『Image Master UAS』を使用して写真測量を行っていた。「標定点の設置作業の面倒さは身に染みていましたから、それが不要になるのは非常に魅力的でしたね」とお話されるのはi-Constructionプロジェクトチームリーダーである剱地裕明(けんちひろあき)様。また使用しているUAV機体を改造するだけで良いという点も、導入の後押しになったようだ。

翌日には成果が完成。業務拡大の可能性も。

写真測量業務は、主にi-Constructionプロジェクトチームの中村理絵(なかむらりえ)様と藤井彩加(ふじいさやか)様、2名の女性社員(しかも異業種から転職して、まだ1年足らず)に任せているという。『TSトラッキングUAS』、そして3D点群処理ソフトウェア『MAGNET Collage』の使用感について、中村様は「標定点の設置が要らないことでの現場作業の時間短縮は、明らかに実感できています」。さらに藤井様は「実は現場の作業だけではありません。後処理でも標定点を抽出する作業が無くなるので、解析時間も大幅に短縮できているのです」と評価する。現在使用している業務は10万m3という大規模な道路整備工事の出来高計測。従来方法で行った場合、計測から成果作成まで4~5日程度かかるところ『TSトラッキングUAS』では2日で完了するそうだ。計測した翌日には成果が出せることになる。このスピード感は、工期短縮にも好影響に違いない。 また剱地様は”標定点の設置不要”というメリットが、他の業務にも活きると考えている。「土砂災害の被害状況調査に、とても有効なシステムではないでしょうか。調査は写真で現状を見るだけでなく、土量計測も必要になります。標定点が要らなければ、迅速に計測できますし現場に立ち入る必要がない。二次災害の恐れなく安全に計測できますし、すぐに成果が出せるので状況も素早く把握できますから」。既に北海道開発局へ『TSトラッキングUAS』をご紹介いただいているとのこと。業務拡大にも一役買いそうだ。

saito_TStrackingUAS_002_J.jpg3D点群処理ソフトウェア『MAGNET Collage』によって3D点群データ化。”標定点不要”は解析時間の短縮にも役立つ。

建設業界を変える先駆者へ。

『TSトラッキングUAS』を筆頭に、新しい技術を積極的に導入する同社であるが、最後に剱地様は「間違いなく現場担当者の測量業務・監督業務が大幅に削減されています。おかげで、残業が少なくなり休暇も取りやすくなるといった”働き方改革”が自然と実現できています。我々はそれと同時に、女性が活躍できる業務を広げて行くことも目指しています」と熱心にお話いただいた。 折しも、”女性活躍推進”という一般事業主行動計画を発表された齋藤建設様。まさに建設業界が変わり始めている息吹を感じた。

saito_TStrackingUAS_001_J.jpg今回お話を伺ったi-Constructionプロジェクトチーム3名の皆様。 左からチームリーダーの剱地裕明様、スタッフの中村理絵様、藤井彩加様。

詳しくは、トプコンのウェブサイトで。

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