スタッフブログ●”打ち込むこと”のすばらしさ
2021年4月6日

”打ち込むこと”のすばらしさ

冬の喝采:好きな著者の自叙伝。

この作品の中に出てくる早大の中村監督にまつわる話(エッセイ集からの抜粋)

-中村監督の情熱と狂気-
中村監督が最も頻繁にいっていたのは「天才は有限だが、努力は無限の力を引き出す」という言葉である。スポーツは主に素質だと思っていたわたしは、最初、この言葉を信じられなかった。しかし約30年を経て、今、このことばの持つ真実をしみじみとかみしめている。大学2年のころ、わたしは20キロメートを何度走っても1時間8分台だった。しかし、大学4年の秋には、1時間1分58秒8の北海道新記録をマークするところまで力を伸ばすことができた。きっかけは、大学2年の冬に、瀬古が福岡国際マラソンで5位に入賞したのを目の当たりにして、「自分も極限まで努力しよう」と決意し、朝練習も含めて月間の練習量を650~700キロメートルまで増やしたことだった。社会人になってからも、火が出るほどに打ち込めば「努力は無限の力を引き出す」ことを何度か体験した。
監督は狂気の人でもあった。「おまえたちが弱いのは、この中村が悪いからだ」と自分で自分の頬を殴ってシャツの胸元を血染めにしたり、「監督が土を食えといったら、こうやって食うんだ!」と足元の土を口に入れ、「髪を切ってこいというのになぜ切らん?」と床を何度も蹴って自分の足の骨にひびを入れたりした。選手に何か気にくわないことがあると、何ヶ月も罵詈雑言の嵐を浴びせ、私自身も怒られるのがほとほと嫌になって、大学3年の時に退部を申し出たことがあった。その一方で、選手たちが走っている間は、雨の中でも嵐の中でも、高血圧、糖尿病、心臓病を抱えてる老体に鞭打ち、最後の一人が走り終わるまでじっと立ったまま見守っていた。今振り返ってみると、監督は、私たちに打ち込むことの素晴らしさを何とかわからせようと懸命だったのだと思う。

新しいメンバーが入ってくる季節です。希望を感じると同時に、”打ち込むことの素晴らしさ”をどれだけ伝えられるか。責任も感じます。

詳しくは、システムメトリックスのウェブサイトで。

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