建設国保の基礎から、市区町村の国民健康保険との違い、加入可否、保険料の考え方、複数ある組合の系統と選び方、2020年の建設業法改正・CCUSとの関係、手続きまでを現場目線で解説する。
「建設国保」という言葉を耳にしたことはありますか?一人親方として独立したばかりのとき、あるいは職人仲間から「建設国保のほうが得だよ」と聞いたとき——いざ調べてみると似た名前の組合がいくつもあって、どれを選べばいいのかよく分からない、という方は少なくありません。
この記事では、以下について解説します。
- 建設国保とは何か、市区町村の国民健康保険(国保)との違い
- 誰が加入できて、誰が加入できないか
- 保険料はいくらか、国保と比べてどちらがお得か
- 建設国保に複数の組合がある理由と選び方
- 2020年の建設業法改正・CCUSと建設国保の関係
- 加入手続きの流れと必要書類
大工・とび・土木・測量・施工管理など建設現場で働く方、あるいはこれから建設業界への入職を検討している方の保険選びに、この記事が役立てば幸いです。
建設国保とは?
建設国保とは、建設業に従事する人を対象とした、国民健康保険法に基づく国民健康保険組合である。市区町村が運営する「国民健康保険(市区町村国保)」とは異なり、同じ業種の仲間同士が集まって運営する「同業者型」の医療保険制度となっている。
【参考】e-Gov 法令検索「国民健康保険法」
建設国保・市区町村国保・協会けんぽの違いを整理
そもそも、健康保険制度は大きく3種類に分かれる。自分がどの立場で働くかによって加入できる制度が異なる。
| 建設国保 | 市区町村国保 | 協会けんぽ | |
|---|---|---|---|
| 運営主体 | 建設業の国保組合 | 市区町村 | 全国健康保険協会 |
| 加入者 | ①建設業従事者(主に一人親方・個人事業主)
②の家族(被用者保険の被保険者を除く) |
①自営業者・無職の方など
②の家族(被用者保険の被保険者を除く) |
会社員 |
| 保険給付の対象者 | 本人・家族組合員 | 加入者全員 | 本人・被扶養者 |
| 保険料の決め方 | 年齢・家族の人数などに応じて定額 | 所得・扶養家族の人数・地域で算定 | 標準報酬月額で算定(会社と折半) |
| 傷病手当金 | 組合により支給あり | なし | あり(標準報酬日額の3分の2) |
※保険料や給付内容は組合・自治体によって異なる。最新情報は各組合・自治体に確認する。
建設国保は1つではない?主要な3つの系統
健康保険制度が大きく3種類に分けられるのに加え、建設国保も、実は窓口となる組合は1つではない。大きく分けて、以下の3つの系統が存在する。
- 全建国保:特定の母体を持たない単独の組合
- 建設連合国保:日本建設組合連合系の組合
- 全建総連系:各都道府県の建設労働組合(土建組合など)が運営する組合
全国建設労働組合総連合(全建総連)によると、全国で22の建設国保組合が運営されており、これ以外にも全国規模の組合が複数存在する。まずは「建設国保は1つではなく、複数の独立した組合の総称である」という事実を理解することから始める。それぞれ保険料や加入条件が異なるため、「どこがいいか」を判断するには、まずこの3つの違いを知ることが第一歩だ。
【参考】全国建設労働組合総連合「建設国保」
建設国保はどこがいい?主要3系統の特徴を比較
「建設国保に入りたいけれど、どこがいいか分からない」と悩む方は決して少なくない。ここでは主要な3系統について、特徴を整理して紹介する。







