建設業コラム | 2024年度の選定会社からの学び
2026年7月6日

2024年度は過去最多の32社が選定。グランプリの浜松倉庫と準グランプリの西原商事を取り上げ、危機感に根差す変革、現場主導のデジタル化、GXとDXの両輪などの要点と成果を整理する。

2024年度の選定概要

2024年度は、グランプリ1社、準グランプリ5社、優良事例26社の計32社が選定され、過去最多の中小企業が選定された。ここでは、グランプリ受賞の「浜松倉庫株式会社」と準グランプリ受賞の「株式会社西原商事ホールディングス」を取り上げる。

グランプリ:浜松倉庫株式会社

浜松倉庫株式会社は静岡県浜松市に拠点を置く倉庫・運送事業の総合物流会社であり、従業員数125名ほどの中小企業である。組織は管理本部と営業デジタル推進本部で構成され、それぞれの現場でDXに取り組んだ。

地域での人材不足を背景に、企業としての生き残りと地域貢献を目的として業務改革に取り組んだことがDXに直結している。従業員の男女比率が6:4と物流会社では稀な従業員構成は活動の一つの表れでもある。危機感を背景に長期ビジョンで変革プロジェクトに取り組んだ経営トップの姿勢が生きている。

現場の若手管理職で構成された変革プロジェクトメンバーは、求める将来の姿と課題を整理し、デジタル活用が不可欠という結論から外部リソースを活用してシステム化に取り組んだ。FAX中心のアナログ処理を、ハンディターミナルとバーコードでデジタル処理することにより、入力作業を大幅に削減して10人の社員を新規センター要員として確保。FAXも廃止され、業務がデータで動くようになった。

2015年からの一連の取り組みは、企業存続の危機感からの経営トップの気づきと、ボトムアップ型の変革プロジェクトを牽引するリーダーと、社員たちのマインドチェンジにDX成功の鍵がある。成果として生産性30%向上や営業利益率4.5%向上は素晴らしい。

準グランプリ:株式会社西原商事ホールディングス

株式会社西原商事ホールディングスは北九州市で廃棄物回収・資源リサイクルを事業とする会社で、従業員はグループで250名ほど。古紙問屋に始まる同社は50年の歴史を持ち、一貫してGX(グリーントランスフォーメーション)を目指し、自然エネルギーの活用やCO2削減、環境負荷削減に取り組んでいる。

GXにはDXが必須であるという認識からデュアル・トランスフォーメーションに取り組んだ。廃棄物の処理工程では厳しいトレーサビリティを要求されるため、データ化やシステム化に早くから取り組み、業界で一元管理ができるBee-netを展開し普及に努めている。

Webサイトから公開されているDXに関わる情報は多くはないが、周辺情報は豊富で西原商事のユニークな活動が光って見える。店舗の駐車場にリサイクルステーションを設置して回収を推進したり、粗大ゴミ回収をスマホから簡単に依頼できるアプリを開発したり、さまざまなシステム開発と提供をするデジタルの視点が垣間見える。

2012年には外務省・JICA・ODA事業受託でインドネシア・スラバヤにおける廃棄物リサイクル事業に取り組み海外事業展開を果たしている。このプロジェクトに従事した社員はインドネシアに留学経験のある女性で、このプロジェクトを知って入社した新入社員だ。現在では取締役企画部長を努めている。

一連の活動から同社の企業文化が感じられ、GXに取り組んで来た自負とプライドが社是にも現れている。

詳しくは、MetaMoJiのウェブサイトで。

(Visited 1 times, 1 visits today)
関連記事
Translate »