砂防設計の3案比較を1か月から1日へ短縮 ―3次元設計で設計意図を迅速に形に―
2026年8月24日

セントラルコンサルタントは、砂防全体計画検討業務でV-nasClair「SABO_Kit」を活用。3案比較に必要な図面・数量整理を従来の約1か月から約1日へ短縮し、実施コストも約3割削減した。3次元設計のノウハウ蓄積と技術力向上にもつながった。

業務概要:配置見直しに伴う「3次元設計」の必要性

本プロジェクトは都道府県発注の砂防全体計画検討業務。過年度の詳細設計で堰堤の配置位置が変更されたことに伴い全体計画の修正が必要となり、新設堰堤の規模見直しを含む最適配置を再検討するため、3つの比較案を作成して最適案を選定する予備設計を行った。BIM/CIM指定物件ではなかったが、発注者への提案力向上、社内の技術力向上、設計品質の向上を目的に3Dデータ活用に踏み切った。

導入前の課題:3案比較に伴う作業負担

従来は2DCADで検討・図面作成・数量算出を行い、設計マニュアルの確認を繰り返すため時間と手間を要した。3案比較では各案の図面や数量をそろえるだけでも約1か月を要し、配置条件の変更があるたびに関連図面・数量の見直しが生じ作業負担が増大。概略検討では契約金額が限られる中で、効率化が大きな課題だった。

SABO_Kit活用:ハンズオンから実務へ、3Dモデルが変えた検討プロセス

SABO_Kit利用のきっかけは当社が開催したハンズオンセミナー。柴田氏は「操作が体系的で分かりやすく、2次元図面や数量表のアウトプットまでスムーズに出せる点に魅力を感じた」と振り返る。発注者から受領した点群データを活用し、SABO_Kitで3Dの堰堤配置を検討。3案のモデルを並べて配置条件や構造の違いを視覚的に把握でき、発注者との認識共有に有効で、最適案の検討を進めやすくなった。発注者からも「堰堤のイメージが湧きやすい」との反応があった。モデル作成と併せて2D図面や数量が一瞬で作成でき、比較に必要な資料を効率よく整理。コンクリート量だけでなく土工数量も確認でき、3次元設計の効果を実感した。

導入効果:3案比較の効率化と技術力向上

3案分の図面作成・数量整理は、従来約1か月から、習熟後の実作業ベースで約1日へ大幅短縮。実施コストも従来手法比で約3割削減できた感覚が得られた。加えて、技術者のスキル向上と社内ノウハウの蓄積が進展。進藤氏は「社内で迅速に設計の考え方を形にできるようになった」と述べ、V-nasClairの操作習得を通じて技術力が向上したと振り返る。

3案比較における図面・数量作成期間の比較(習熟後の実作業時間ベース)

  • 従来手法(2D):約1か月
  • SABO_Kit活用後:約1日

業務実施コストの比較(担当者試算)

  • 従来手法比:約3割削減

取材協力

  • セントラルコンサルタント株式会社 東京事業本部 環境水工部 柴田 貴文 氏
  • セントラルコンサルタント株式会社 東京事業本部 環境水工部 進藤 聖 氏

今後の展望:社内展開とさらなる活用に向けて

今回の知見をもとに他拠点への展開を視野に入れ、社内の技術交流を通じて活用事例とノウハウを継続的に蓄積していく。実務での活用から見えてきた改善要望はKTSへフィードバックし、製品開発・機能拡充に反映。社内の活用範囲をさらに広げ、より効率的で品質の高い砂防設計につながっていく。

詳しくは、KTSのウェブサイトで。

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