「大気社様 BricsCAD導入事例」を公開しました
2023年7月31日

ネットワークライセンスによるコスト削減と
カスタマイズによる高付加価値の提供を実現

株式会社大気社様 導入事例

大気社様イメージ画像

ビル空調設備やクリーンルーム、自動車等の塗装システムなどを手がける大気社は、 2020年頃から新たなCADソフトとしてBricsCADの導入を進めています。既存のCADソフトよりライセンス費が安価であることから関係者全員にライセンスを行き渡らせることができ、カスタマイズにより、2D/3Dの設計オペレーションの分断を改善し、効率的に業務を進めようとしています。
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株式会社大気社は、「産業空調」「ビル空調」「塗装プラント」の三つの領域を軸に事業を展開する設備工事事業者です。1913年に設立した同社は、エネルギー、空気、水システムに関する専門知識と革新的なエンジニアリングを通じて、持続可能な社会に貢献するという長期的なビジョンのもとグローバルでビジネスを展開。精密空調、ハイテク製品づくりを支えるクリーンルームにおいても豊富な実績を有し、自動車塗装プラントも世界トップクラスの売上高を誇り、ビル空調も含め海外にも広く進出してきました。また、空調技術を生かした植物工場や、塗装プラントに関連したコンベア事業、産業ロボットシステムなど、関連分野の事業にも取り組んでいます。
大気社の塗装システム事業部は、主に自動車塗装プラントの設計・施工を手掛けており、日本メーカーだけでなく、欧米メーカーを中心とする世界各国の自動車メーカーに納入されています。

調達できるライセンス数、社外とのやり取りが課題に

大気社様

自動車塗装は、塗装不良をなくす洗浄などの前処理、下塗り・中塗り・上塗りといった何段階もの塗装、そして塗膜として定着させる乾燥炉など、何段階も塗装工程を繰り返す必要があります。100mを超える何段階もの工程を、自動車ボデーがコンベアで運ばれながら進みます。大気社の塗装システム事業部では、各工程の設備や工場の建設設備の設計を2D CADで行い、建屋の鉄骨などとの干渉を確認する整合性チェックのため、別の3D CADも併用しています。

しかし、既存のCADソフトのライセンスコストが高価になっていたことから、エンジニアリング設計チームのメンバー全員にライセンスを配れずにいました。また、設備工事の都合から建設会社など他社との図面のやり取りが頻繁にありますが、既存CADソフトは、3DのDWGフォーマットに対応していなかったため、データ変換作業に手間がかかっていました。

安定性と2D/3D DWGの互換性に注目

塗装システム事業部 技術統括部 設計管理部 設計管理課 井上 亮太 氏

塗装システム事業部 技術統括部 設計管理部 設計管理課 井上 亮太 氏

この課題を解決するため、塗装システム事業部 技術統括部 設計管理部は、BricsCADをはじめ、既存のCADソフトや競合他社のCADソフトとの比較検討を開始しました。
検証には、設計管理部や他事業所の社員が参加しました。検討のきっかけを作った設計管理部 設計管理課の井上亮太氏は、BricsCADを選定した理由について次のように説明します。「BricsCADで注目したのは、DWG 形式 の対応、互換性と汎用性の高さです。実際、BricsCADは競合他社に負けない高い安定性と操作性を備えており、2Dだけでなく3Dでも使えるという点が有力な候補となりました」また、井上氏は、BricsCADが永久ライセンスとネットワークライセンスを選択できることの価値についても言及しています。
「競合製品は永久ライセンスとネットワークライセンスの廃止により導入が難しくなっています。ですが、BricsCADは両方に対応しており、ライセンスコストも低く抑えられています」

オープンかつ高いカスタマイズ性が採用の決め手

塗装システム事業部 技術統括部 設計管理部 設計管理課 金本 行央 氏

塗装システム事業部 技術統括部 設計管理部 設計管理課 金本 行央 氏

「既存のCADとの比較では、カスタマイズ性の高さを重視しました。塗装システム事業では、品物が設備や建物の鉄骨に干渉しないか確認するために、コンベアの軌跡図を描くことが求められています。
既存のCADではGUIマクロで実現していましたが、BricsCADではカスタマイズによって独自のGUIメニューを作成できることがわかり、BricsCADを採用する決め手のひとつになりました」と、設計管理課の金本行央氏は説明します。

共通ツールとして活用し、業務効率化への期待

塗装システム事業部 技術統括部 設計管理部長 石井 一生 氏

塗装システム事業部 技術統括部 設計管理部長 石井 一生 氏

塗装システム事業部はBricsCADを導入し、ライセンス費用は既存CADの1/5以下と安価なことから全員に行き渡るだけの数を揃えてもなお、コスト削減になっているといいます。
塗装システム事業部 技術統括部 設計管理部長の石井一生氏は、BricsCADへの期待について、次のように説明します。「BricsCADはネットワークライセンスに対応しており、ライセンス数も十分に確保できているので、社内の設計関連における共通プラットフォームとして活用していく方針です。以前は、各拠点でCADオペレーションが大きく分断が進み、社員からの指示は手書きで行い、オペレーターがそれを作図するといった形でしたが、別々のツールでは効率的ではないのでBricsCADを共通プラットフォームとして利用することで、この状況を改善することを期待しています」

社内外へ統一オペレーションを展開

塗装システム事業部 技術統括部設計管理部 設計管理課長 寺坂 正三 氏

塗装システム事業部 技術統括部設計管理部 設計管理課長 寺坂 正三 氏

コンベア自動作図を含むシステムのカスタマイズは、図研アルファテックの協力を得てほぼ完了しました。本格的な社内導入はカスタマイズ部分の検証を経てからとなりますが、設計管理部ではその先の展開を考えています。設計管理課長の寺坂正三氏が次のように語ります。

「カスタマイズが完了したら、既存2D? CADでできていたことが、ほぼ全て BricsCADでも可能になりますから、可能な限りBricsCADに移行していくつもりです。社内や関連会社への展開を進めるうえで、カスタマイズした独自メニューや、3D機能を広く使える点などで、BricsCADならではの付加価値を示していきたいと考えています」

設計関連における共通プラット フォームとしてさらなる進化に期待

「BricsCADは直感的で馴染みやすいツールです。最近多くの技術学校で使われているCADソフトとの互換性も高く、同様に使いやすいことを確認しているので、新入社員の CAD教育もしやすいと思います」と将来の人材育成のための使いやすさとトレーニングの利点について語ります。

また、石井氏は、BricsCADが常に革新的なサービスを提供し、自社サービスをサポートしてくれるという信頼感についても言及します。

「セミナーなどで、BricsCADは変化し続ける製品であることを知り、大きな可能性を秘めたCADソフトであると感じています。建物の設備に関わる事業として、5年後10年後を考えるとBIMへの対応も視野に入ってくる可能性がありますが、その際にもBricsCADが使えるツールであってくれたらと期待しています」

大気社様 概要

会社名 株式会社大気社
設立 1913年(大正2年)4月10日
資本金 64億5,517万円
従業員数 個別 1,611名

連結 4,890名
(2023年3月末)
事業内容 下記の諸設備・装置の設計・施工・監理および関連機器の製造・加工・販売・輸出入

・空気調和設備、換気・乾燥設備、冷凍設備、燻蒸設備
・クリーンルームおよび関連機器装置
・給排水・衛生設備、防火防災装置
・地域冷暖房施設、コージェネレーション設備
・塗装プラント
・排気・廃水・廃棄物処理装置
・電気・計装設備
・建築工事の設計・施工・監理

※ご担当者様の所属部署、インタビュー記事内容などは取材当時のものです。
(2022年11月取材・2023年7月掲載)

株式会社大気社
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