コクヨ、コクヨマーケティングのeYACHO活用事例を公開
2023年8月21日

導入事例

提案する立場の企業として、自らの働き方を改革
eYACHOなら丸ごと仕事を持ち出し、現場で完結


コクヨ株式会社コクヨマーケティング株式会社

メインビジュアル

コクヨ株式会社は、従来の文具や家具・事務機器の製造販売にとどまらず、「働く(ワーク)」「学ぶ・暮らす(ライフ)」スタイルの総合デザイン企業として、新しい商品やサービス、新事業の展開を進めている。同社エンジニアリング部門では、オフィスデザインを通した働き方改革を追求する企業として「現場での新しい働き方への挑戦」が必須であるとし、eYACHOによる業務のDX化を図り自らの働き方改革を進めている。同社エンジニアリング部門における働き方改革についてお話を伺う。

我々が紙でやっていることを世の中はデジタルでやっている

ワークプレイス事業本部エンジニアリング本部は、お客様の「働く・学ぶ・暮らす」空間を現場で具現化していく「納品・工事管理機能」を担う部門だ。 その中で阿部浩典氏は、エンジニアリング本部のメンバーの働き方や業務改革を行っている。近年、様々な工事現場では、紙をタブレット等のスマートデバイスに置き換えた新しい働き方に変化しているのに対し、 自分たちがまだ「パソコン、メール、電話」を中心とした働き方から変化できずにいる状況であり、オフィスデザインを通して働き方の提案をする側にいる者として、「現場で働く、立ち仕事の人の新しい働き方」へのチャレンジが必要であると考えた。

「いかに現場で終わらせられるか」をテーマに様々なツールの検討をした中で「見事にハマったのがeYACHOだった」と言う。eYACHOの「現場で業務が完結する。現場から会社に戻って書類仕事をする必要がない」というフレーズに「eYACHOを導入して、丸ごと仕事を持って出てしまえば大丈夫だ、と直感的に思った」と当時を振り返る。

阿部浩典

(阿部 浩典 氏)

持ち帰り仕事の8割削減

試算では、移動して会社で清書する部分がゼロになると、1案件につき5時間程度の削減に繋がると見ていた。50人規模で約200案件の現場でのテストトライアルを実施した結果、「今まで持ち帰っていた仕事の8割以上、 つまりほぼ全てを現場で終わらせることができ、削減できた時間も試算通りだった」という。 「トライアル参加者からランダム抽出し確認したところ満場一致でeYACHOの採用が決まった。 建設工事のように現場事務所があるわけではないので、書き仕事を出先で立ったまま終わらせることができることが 現場ニーズに合っていたのだろう」

テストトライアルの効果(期間終了後のアンケートによる)

アンケート結果

▲95%が「eYACHOで働き方・仕事のやり方が変わった」
98%が「今後もeYACHOを使いたい」と回答

アンケート結果

▲直行直帰は月5日から7日に増加
印刷数も大幅に削減・ほぼ客先向け用だけになった

「トライアルした人の多くが “場所に囚われない働き方ができるようになった” “現場でやり切れる仕事が増えた” と回答しており、我々が狙っていたテーマを実現することができた。 この結果は、今後営業や設計といった他部門に展開していきやすくなる」

トライアルを通して、「現場で使用するフォーマットを作ってプリセットしておけば、メンバーが使いさえすれば現場で完結するという確固たる自信があった」。 準備はフォーマットをeYACHOに取り込むだけだ。 社内に雛形があるもの(検査シート、パトロールシート、ルールブック、指示書など)はそのまま使用し、約100のフォーマットを準備した。 現在では首都圏エリア全体に本格導入し、詳細設計・積算・施工現場、工事から納品にかけて、現場を進める上で必要な書類(図面・仕様書・現場管理帳票)すべての切替が完了している。

現場での利用と浸透

推進メンバーの嶋氏は、「いいね、という声もありながら、紙に慣れている人の抵抗感は確かにあった」と導入当時を振り返る。 「机に図面の束があったが、私はこれ(タブレット・eYACHO)でやってます、もう印刷してませんよ」と言って回ったり、 「(eYACHOですることで逆に)効率が落ちるんじゃないの?」といった声に対しては、我々推進メンバーが積極的に使い、実際に効率が上がることを見せた。 今では、以前「本当にできるの?」と疑わしげに言っていた人もみんな使っている」と言う。 社内での具体例や、eYACHO導入後の変化を聞く。

まずは紙でたくさんの図面を持ち歩かなくてよくなった。 細かい寸法やおさまりを、紙ベースだと目を細めなくてはならなかったり、暗くて見えない・小さくて見えないといったことはデジタルが解決してくれるし、 何十枚もある図面から1枚抜け落ちたりといったリスクも回避できる。

タブレットにペンで書くというアプリは他にもあるが、 eYACHOは書き込んだ内容をリアルタイムに共有・連携して仕事ができる。 嶋氏と椿氏は、検査業務でペアになりeYACHOを使用する場面が多い。 施工時に図面を共有して『ここは終わっています、ここは問題あります』と施工状況を同じ図面を見ながらチェックしたり、 納品後の点検で『こういう問題があったけどどうですか?』といった問題の指摘箇所を正しく共有したりする。

嶋 優之介:椿 寿仁氏

(左:嶋 優之介 氏/右:椿 寿仁 氏)

検査表は、最も利用頻度の高いフォーマットだ。
日付のカレンダーから入力したり、コメントをリストから選択したりできるようにしており、 操作画面ではタッチして選択するだけで入力できる。図面の中の番号と記入欄の番号を対応させたり、 担当者や対応時期などにより色を変える等視認性を上げている。 シェアすれば複数人で書き込んだ内容も瞬時に共有できて便利だ。

検査表

また、コクヨグループで同じくオフィスデザイン・施工管理を展開するコクヨマーケティング株式会社においても、 「納品・工事管理機能」を担うエンジニアリング本部でeYACHOを導入している。

嶋 優之介:椿 寿仁氏

(左:高野 健太 氏/右:加藤 優里奈 氏)

「(前出の)検査はもちろん、図面の変更指示、ウェブミーティングで、 設計から上がってきた図面を見ながら変更点を手書きして加えていく、 といった場面で利用している」「テンプレートの確認表を便利に使っている。 定例会議の議事録を作ったりするのにも使っている。 以前は会議中にメモしたものをエクセルに起こし直して作成していたが、 今はeYACHOのテンプレートを使用して仕上げられるので残業も減った」 「図面を持たなくなった」「よほどのことがない限り印刷はしない。 紙の場合A3図面で50-60枚にもなるので、変更があった時には大量に印刷していたが、 今では自分のメモ用の印刷はゼロ。印刷するのはお客様用だけになった」

eYACHO+direct で、より迅速で確実に

上述のコクヨ及びコクヨマーケティングの各エンジニアリング本部のDXにおいて「業務を解決するための最適なツール」としてeYACHOに先行して導入したもうひとつのアプリがある。 ビジネスチャットツールdirectだ。 eYACHOもdirectも「現場で仕事を終わらせる」「素早く正確なコミュニケーションをとる」 ために最適なアプリだ。

directだけでもPDF・写真を共有し、 ある時点の状況に注釈を加えて共有できるが、 内容が随時編集されていく図面そのもののリアルタイム共有は難しい。

一方eYACHOで随時編集されていく図面そのものをリアルタイムに共有できるが、 共有したことを相手に伝えたり、誰がそれを見てくれたかの把握は難しかった。

連携機能により、”eYACHOの特定のページ”をワンタッチでdirectで送れるようになり、 受け取った側はdirectからそれをタップして直接eYACHOで開くことができるようになった。

「以前は、eYACHOで保存→メールを起動→添付ファイルに設定→送信先アドレス指定→送信、 といった本当に面倒な手順を踏んでいた」(加藤氏)手間がなくなり、受け取った側も 「eYACHOを開く→ノートを探す→目的のページへ移動する」手間がなくなり、 送られてきたURLや画像をタップするだけで「eYACHOの該当のページ」に直接飛ぶことができる。 directで関係者はグループ化されているので、送り漏れも発生しない。

eYACHOで作成した現場の記録や図面への指摘や、資料の所在の通知がより迅速になり、 確実な意思疎通ができるようになる。eYACHO+directで起こる情報共有の質の向上は、 業務効率の向上に直結する。

嶋 優之介:椿 寿仁氏

(イメージ図:eYACHOからdirectに送信。受け取った側はdirect上でクリックするとeYACHOが直接開く。
まるでひとつのアプリケーションで使っているようにシームレスに連携する)

最適なツールが使える環境を提供し自ら解決方法を考える風土や文化を作りたい

2020年のeYACHO導入以降、新しく入ってくる人への教育は、 部門単位でのレクチャーを実施するが、自分に合ったやり方でやればいいと割り切り、 使うか使わないかは本人の裁量に任せていると言う。 「現時点では個人の生産性を上げるというところを解決する業務での使用が多いので、 『この案件、ここにeYACHOのデータを入れてるから使ってみて』と言うと、だいたい見てくれるし、 使ってみてくれる。現在は概ね9割くらいの人が使っている」(小林氏)

嶋 優之介:椿 寿仁氏

(小林 光佑 氏)

「我々が目指すものは、” 現場の働き方の改革” であり ” 現場で立って仕事を終わらせること” がテーマなので、一定のルールを強いてしまうとやらされ仕事になってしまい 業務改革にならない。eYACHO等の最適なツールを使える環境は整えたので、 何を使ったら早くて間違いがないか、自身のパフォーマンスを最大限発揮できる ツールを使えば良い、という発想だ。 自分たちなりに使い方を見出して、それが職場内に口コミで広がり、便利だね、 となっていったり、自分も使おうかなと伝播していくのが理想だ。 最適に解決できる方法は何かを自らが考える風土や文化のようなものが育つことが DXにおいて大事だ。あまり使っていなかったベテランが使い始めた際に、 誰に聞いてスキルを覚えたかと聞くと、若手に聞いたと返ってくる。 若手とベテランのコミュニケーションにも寄与するなど、 総じていい流れができてきたと実感している」(阿部氏)

コクヨの改革は、世界中のオフィスの進化に繋がる

同社ではこれまでeYACHOによるDXを首都圏・関西で進めてきたが、 今後、北海道・仙台・名古屋・九州各拠点に拡大し、全国のエンジニアが 現場でできることを増やしていく予定だ。特に地方は移動距離が長いので、 非常に大きな効果が期待できる。また、営業や設計といった他部門での導入も少しずつ進めており、 各部門が連携することで相乗的な効果も期待している。加えて、 日々入力が必要な入退館管理やKYシート等を通して協力会社へのeYACHO利用に向けた トライアルも進めており、今後協力会社との連携も強化されていくだろう。
コクヨは、オフィスデザインを通して働き方改革を追求・提案する側の企業である。 その企業自身のDXによる働き方改革は、社内改革にとどまらず、 全国のオフィスデザインに波及していくに違いない。

MetaMoJiは、コクヨ株式会社様並びにコクヨマーケティング株式会社様の働き方改革を、 eYACHOをはじめとする製品・技術で、今後も強力にサポートしてまいります。

お話を伺ったのは・・

コクヨ株式会社

ワークプレイス事業本部 エンジニアリング本部

阿部 浩典 氏
小林 光佑 氏
椿 寿仁 氏
嶋 優之介 氏

コクヨマーケティング株式会社
エンジニアリング本部 首都圏エンジニアリング部

高野 健太 氏
加藤 優里奈 氏

アンケート結果

コクヨが全国で展開している、 社員が実際に働くオフィスが見学できる「ライブオフィス」の中で最新・最先端の、 自社オフィスを併設する、働き方の実験場「THE  CAMPUS(ザ・キャンパス)」にてお話を伺った。
(2023年6月取材)

詳しくは、MetaMoJiのウェブサイトで。

(Visited 1 times, 1 visits today)
関連記事
Translate »