#41 国土交通省が施工BIM試行に合わせてガイドラインを改定
国土交通省は官庁営繕事業に適用するためのBIMガイドラインを改定して8月2日付けでホームページ上に公開しました。施工BIMの活用方法に関する記載を拡充し、技術的な検討項目に施工計画・手順の検討、施工図作成などを追加すると共に、3次元モデルの作成方法などを定めた手引書も整備しています。18年度に発注者指定型で発注する施工BIMの試行工事から適用されます。6月に政府が「未来投資戦略2018」において建設現場の生産性向上のための「i-Construction」を建築分野に拡大する方針を閣議決定したのを受けての改定となっています。
今回の改定の特長は、従来、BIMガイドラインの適用対象が受注者提案だけだったのが発注者指定にまで拡げた点です。主な改定内容は、以下の通りです。
発注者指定等によるBIM活用への対応
- 発注者指定または受注者からの技術提案などにより、BIMモデルを作成・活用して、成果物の作成または発注者に提示する技術的検討を行う場合に適用することを明示。
- 発注者と受注者の間での協議事項についての記載を追加。
施工段階におけるBIMの活用方法
- 技術的な検討に「施工計画、施工手順等の検討」「デジタルモックアップ」「施工図等の作成」「数量算出」「各種技術資料等の作成」の5項目を追加し、従来の「干渉チェック」も加えて6項目としました。
技術的な検討における詳細度の参照資料の紹介
- BIMの詳細度モデルの設定では、日本建設業連合会が作成した資料「施工図のLOD(レベル・オブ・ディテール)とBIM施工図への展開」を参照するよう追記しています。
ここでも何度か日本建設業連合会の施工BIM関連のドキュメントについては紹介しましたが、それらドキュメントを編纂した方々の努力が公的にも評価されたものです。
新規に「BIM適用事業における成果品作成の手引(案)」も策定し、官庁営繕事業の設計・工事において3次元モデルを成果品として提出する際の成果品の作成方法や確認方法を明示しています。
なお、国交省では、全て発注方式は受注者提案型で、14年度以降、BIMの試行案件としては設計21件、工事6件を実施しています。18年度は施工BIM試行工事を発注者指定型で発注し、「栃木地方合同庁舎」「海上保安大学校国際交流センター」「高山地方合同庁舎」の3件を実施しています。
◇国土交通省ホームページ(ダウンロード可)
報道発表資料(PDF形式)
(別紙1)官庁営繕事業におけるBIMモデルの作成及び利用に関するガイドライン(PDF形式)
(別紙2)BIM適用事業における成果品作成の手引き(案)(PDF形式)
(参考)施工BIM試行工事概要(平成30年度実施)(PDF形式)
「官庁営繕事業におれるBIMモデルの作成及び利用に関するガイド」表紙