このたび、株式会社建築ピボット(本社:東京都文京区 代表取締役社長:千葉貴史)は、 省エネルギー計算ソフトウェア「SAVE-住宅 Ver.4.1」を新発売することとなりましたので、下記の通りお知らせ申し上げます。
「SAVE-住宅 Ver.4.1」はマンションなどの集合住宅や戸建住宅について、「建築物省エネ法」に基づく、「平成28年省エネルギー基準」に準拠した計算を行うソフトウェアです。 住宅・住戸の外皮性能(UA値:外皮平均熱貫流率、 ηA値:平均日射熱取得率)と一次エネルギー消費量を計算し、所管行政庁に提出する計算書作成を支援します。
また、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づく「住宅性能表示制度」の一次エネルギー消費量等級、断熱等性能等級の判定や、 ZEH/ZEH+(Net Zero Energy House)の評価、住宅版BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)、HEAT20の表示にも対応しています。 多彩な計算・出力機能を備えており、マンション・住宅の省エネルギー設計、届出業務をトータルに支援します。
「SAVE-住宅 Ver.4.1」の画面
「SAVE-住宅 Ver.4.1」の概要
- 「SAVE-住宅 Ver.4.1」は、建物モデルの入力によりUA値ηA値と一次エネルギー消費量を計算します。 建物モデルを入力しながら、計算結果をリアルタイムに確認できるので、建物のデザイン検討と省エネルギー性能の検討が同時に行えます。 各部材に適した断熱材の厚さ、日除け効果や建具の性能を検討することができ、冷暖房費やCO2排出量も計算できます。複数案を比較する機能も充実しており、 設計案の比較検討や改修前後の省エネ性能比較などに活用できます。 外壁や屋根、開口など外皮の面積は建物モデルから自動集計し、熱橋も単純なものであれば自動判定(RC造、S造の場合)しますので、設計変更にも柔軟に対応できます。
- また、住戸のタイプ別管理など、集合住宅の計算に適した機能を備えており、届出のための計算書作成を大幅に省力化できます。 届出書類作成だけでなく、設計初期からの省エネルギー検討など、設計のあらゆる段階で利用できる設計支援ツールです。
今回のバージョンアップについて
- 今回のバージョンアップでは、平成30年の4月、10月度の建築研究所WEBプログラムの更新への対応や、他のソフトウェアとの連携などの機能を追加しました。
「SAVE-住宅 Ver.4.1」の特長
- ■届出業務だけでなく設計検討にも活用できます
- 住宅の外皮の性能(UA値、ηA値)と一次エネルギー消費量を計算し、住宅性能表示制度の断熱等性能等級、一次エネルギー消費量等級を判定します。 また、年間の概算冷暖房費および年間暖冷房負荷も計算できます。
- がホームページで公開している、WEBプログラムのAPI(Application Programming Interface)(WEB API)と連携し、 計算結果や帳票を取得、表示します。1度の計算実行で、すべての計算・判定を行うことができます。
- 今回のバージョンアップでは、WEBプログラムの平成30年の4月、10月度の改訂に対応しました。
- ・外皮性能(UA値、ηA値)住宅・住戸の外皮性能である外皮平均熱貫流率(UA値)、平均日射熱取得率(η A値)を計算します。 建物モデルから計算された結果とともに、基準の適否が一目で分かる計算結果概要や、開口部の仕様一覧表などの詳細な計算書を出力します。
- ・一次エネルギー消費量
- 個々の住戸、共用部、集合住宅全体の一次エネルギー消費量を計算します。一次エネルギー消費量から、光熱費、CO2排出量を計算し、建物のランニングコストを算出します。
- ・一次エネルギー消費量等級・断熱等性能等級判定
- 住宅性能表示制度の一次エネルギー消費量等級・断熱等性能等級を判定します。 一次エネルギー消費量等級4、断熱等性能等級4を満たせば長期優良住宅の認定基準に、さらに一次エネルギー消費量等級5を満たせば低炭素建築物認定基準と判定されます。
- ・さまざまな性能基準に対応
- EH/ZEH+(Net Zero Energy House)の評価や、住宅版BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)、HEAT20の表示にも対応しています。さまざまな性能基準の判定を一覧できます。
- ・冷暖房コスト
- 年間の概算冷暖房費および年間暖冷房負荷が計算できます。2つのプランで計算結果を比較して、冷暖房費の削減率を算出できます。
- ・データチェック機能
- エラーチェック機能(プリチェック)では、計算前にエラーや警告を表示します。省エネ等級判定アシスト機能では、省エネ性能等級をクリアするために必要な施策と該当箇所を表示します。
- ・省エネルギー性能をシミュレーション
- リアルタイム計算機能によって、断熱仕様などの変更後に計算結果を即座に確認できます。基準の判定、一次エネルギー消費量等級・断熱等性能等級の判定を素早く確認しながら設計検討を進められます。
- ・複数案の比較検討
- 複数の検討案の比較ができます。平面計画や材料などの条件を変えた案の比較検討、改修前後の断熱性能の比較などができます。比較結果はグラフや表で分かりやすく出力されます。
- ・住戸のさまざまな計算タイプを比較
集合住宅の最上階と最下階、東と西の角部屋など、同じ間取りでも外皮パターンが異なると熱的性能も異なります。 間取りと外皮パターンを切り替えながら、異なる仕様の住戸を即座に計算することが可能です。
- ・豊富な出力資料
- WEB APIを通して出力された計算書はそのまま印刷すれば届出書類や説明資料として利用できます。図面は各種面積や計算書の算定根拠資料として利用できます。
- ■集合住宅に適した入力・表示機能 ~届出書類作成作業を省力化~
- ・住棟部編集モードと住戸部編集モ-ド
- 住棟部編集モードでは共用部の平面計画と住戸区画、住戸部編集モードでは住戸単位で部屋の間取りを入力します。 両モードはリンクし、整合性を保ちます。また、戸建住宅の編集モードも搭載しています。
- ・計算タイプの管理
- 集合住宅では、仕様の異なる全住戸が計算対象となります。計算する住戸の数は、住戸の間取りと外皮パターン(最上階、中間階、最下階、角部屋など)の組み合わせで決まります。 仕様(計算タイプ)の異なる住戸は3次元表示で色分けされて、住棟全体での住戸タイプの配置が見やすく表示されます。 計算する住戸名、住戸の間取り、外皮パターンの組み合わせを「計算タイプ管理表」で管理できます。
- ・本製品の計算内容
建物全体 | 一次エネルギー消費量、一次エネルギー消費量等級 |
共用部 | 一次エネルギー消費量、エネルギー使用量、光熱費、CO2排出量 |
住戸部 | 外皮平均熱貫流率(UA値)、平均日射熱取得率(ηA値)、壁等の熱貫流率、窓の日射取得量補正係数等、
一次エネルギー消費量、概算冷暖房費/年間暖冷房負荷、 一次エネルギー消費量等級、断熱等性能等級 |
■シンプルかつ直感的な操作性 ~簡単な入力・わかりやすい表示・データ連携~
- ・簡単なモデリングとCAD図面のトレース
- 建物モデルの入力により、UA値、ηA値、一次エネルギー消費量の計算と、省エネ等級の判定を行います。直観的で簡単な操作で建物モデルを入力できます。 「中庭」、「斜辺」、「隅切」、「複合通り芯」などの形状も簡単に入力でき、DRA-CAD、AutoCAD、Jw_cadなどのCAD図面をトレース図として読み込んで入力することもできます。 部屋名をトレース図から取得でき、入力作業が省力化できます。また、住戸のプランを左右、上下に反転でき効率よく入力できます。
- ・要素をわかりやすく可視化
- 建物モデルの入力画面には、平面図と3Dモデルが常に表示されます。平面図は、開口や日除け装置の形状を色分けして表示します。 3Dモデルは自由に視点を変えることができ、断熱材を色分け表示し、熱橋の色分け表示もできます
- ・直接入力機能
- 複雑で入力できない形状は、近似の概形を入力した後に面積や長さを直接入力することで、正しい値で計算を行えます。 より複雑な形状の建物の計算に対応できます。また、面積や長さなどの数値を面積表など他の図面や表と合わせたい場合にも直接入力を利用できます。
- ※入力できない建物形状(主なもの)
- 傾斜した壁、 矩形ではない屋根、 円弧形状の壁・床・天井・屋根、 複雑な形状の開口 など
- ・熱橋の入力と自動生成
- RC/S造の場合、スラブや柱、梁などによって熱的境界に生じる熱橋は、単純なものであれば建物モデルから自動生成されます。 建物モデルからでは拾いきれない熱橋が生じる場合は、熱橋を形状として手作業で入力できます。熱橋部は色分けされた3次元表示で確認できます。
- ・BIMデータから部屋・開口の読み取り
- BIMの標準フォーマットであるIFC形式から部屋形状と開口データをインポートでき、大幅な作業軽減が図れます。部屋形状が壁の内法形状で表現されているデータも壁芯形状に変換してインポートできます。
- ・「HOUSE-DOC Ver.4」とのデータ連携
- (株)構造システムの木造住宅の耐震診断・耐震補強計算ソフト
- のデータを インポートできます。壁で閉じた領域または、床の形状のいずれかを選択して部屋形状に変換できます。部屋名が記入されていれば、自動で居室の区分を割り当てます。
- ・3DマイホームデザイナーPRO、3D Archi Designerとのデータ連携
- の「3DマイホームデザイナーPRO」(対応バージョンは、Ver.7.0.1.1以上)、 「3D Archi Designer」のデータをインポートできます。部屋形状と開口データをインポートでき、材料を設定するだけで省エネルギー計算ができるので、作業軽減が図れます。
- ・解説書を反映した外皮材料とライブラリ登録
- 建築物省エネ法の告示に示された設計施工指針および解説書※による部材ごとの材料が登録されていますので、リストから選択するだけで断熱等性能等級4相当の入力ができます。 また、リストには追加登録もでき、各構造種別に応じた計算方法で熱貫流率などが自動計算されます。
- ※「平成28年省エネルギー基準に準拠した算定・判断の方法及び解説」
準拠している基準等
- 国土交通省令・経済産業省令 第一号「建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令」および下記の基準類に基づいています。
- 【 WEB 】
- (国立研究開発法人 建築研究所(協力:国土交通省国土技術政策総合研究所))
- 【 書籍 】
- 国土交通省国土技術政策総合研究所、 国立研究開発法人 建築研究所 監修
- 「平成28年省エネルギー基準に準拠した算定・判断の方法及び解説」
- 「エネルギー消費性能計算プログラム(非住宅版)Ver.2入力マニュアル」
- 国土交通省 住宅局住宅生産課 編集
- 「必携 住宅の品質確保の促進等に関する法律」
- ※上記図書に準じた計算に必要なデータは、本ソフトウェアに含まれていますが、図面からの各入力項目の拾い方、届出書の作成方法などにつきましては上記図書をご参照下さい。
出荷時期、購入方法、価格
- ●出荷時期
2019年2月下旬 出荷開始 |
- ●購入方法
オンライン販売(http://online.kozo.co.jp/)
- および全国の当社製品取扱い会社を通じて、ご購入いただけます。
- ●価格
SAVE-住宅 Ver.4.1 | 通常価格 |
新規購入 | 300,000円+税 |
SAVE-住宅 Ver.4以前よりバージョンアップ(会員) | 無償バージョンアップ |
※上記に加えて「省エネルギー計算プログラム利用者の会」の年会費が必要です。
- ※「省エネルギー計算プログラム利用者の会」会員(SAVE-住宅会員)は無償でバージョンアップできます。
会員制度
- 省エネルギー計算ソフトウェア「SAVEシリーズ」を利用するためには、「省エネルギー計算プログラム利用者の会」への入会が必要です。 日本の省エネルギー施策は、基準の見直し、強化が繰り返し行われています。 利用者は、会員制度によって常に最新のソフトウェアを利用でき、軽微な改訂の時には新たな費用を負担せずに対応ソフトウェアを入手することができます。 また、サポートや省エネルギー設計に関する情報などを受けることができます。
- ●年会費
- SAVE-住宅 Ver.4.1 1ライセンス 50,000円+税、 2ライセンス以降 30,000円+税
- ※上記のライセンス数は「SAVE-建築」、「SAVE-住宅」とで、それぞれ別々のカウントとなります。
省エネルギー計算ソフトウェアSAVEシリーズについて
- エネルギー資源の有効利用を図り、国民経済の負担を緩和する、また、地球温暖化対策の一層の推進のために、省エネルギー対策の強化を図ることが求められています。
- 省エネルギー計算「SAVEシリーズ」は、建築物省エネ法で規定される建築物・住宅に係る届出義務、さらには省エネルギー設計に関わる様々な設計支援を行うソフトウェアです。
- ●SAVEシリーズのラインナップ
- 「SAVE-建築」 (建築物(非住宅)の省エネルギー計算ソフトウェア)
- 「SAVE-住宅」 (マンションや戸建住宅の省エネルギー計算ソフトウェア)
- ●「SAVE」の由来
- 「SAVE」の由来は「SAVE Energy」です。