現地調査の生産性が5倍に、VRとのコラボや海外展開も 
ポポロプラントのビジネスを変えたFARO Laser Scanner(FARO)
2017年7月13日

液化天然ガス(LNG)基地などの計測、設計を手がけるポポロプラント株式会社(本社:川崎市 武蔵小杉駅前)は5年にわたる検討の末、ついにFAROの3Dレーザースキャナー「Focus3D
X 130」を導入した。それ以来、プラントの現地調査効率が5倍になったほか、バーチャルリアリティー(VR)によるプレゼンテーション、海外での測量プロジェクトなど、同社のビジネスは急速に拡大中だ。

「Focus3D X 130」による既存プラントの計測作業

「Focus3D X 130」による既存プラントの計測作業

   現地調査の生産性が5倍に

これまで2人がかりで1週間以上もかかっていたプラント機械室の現地調査が、FAROの『Focus3D X 130』を導入した後は、わずか1日で完了するようになりました。5分の1以下です」と3Dレーザースキャナーの生産性向上効果を語るのは、実際に現場で指揮を執るプラントエンジニアリング会社、ポポロプラントの代表取締役社長、前川光久氏 (Mr. Mitsuhisa Maekawa)だ。

1969年創業の同社は、LNG(液化天然ガス)基地から化学プラント、食品プラントまで大小様々なプラントの配管・建築設計や計測を手がけてきた。新設プロジェクトのほか、最近は既存プラントの改造や更新のプロジェクトも多くなり、現地調査はますます重要な業務になりつつある。

例えば、15m角で高さ10mほどのプラント機械室内部の調査を行う場合、以前は、コンベックスやデジタルカメラ、鉛筆とスケッチブックなどを持って現場に出掛け、入り組んだ鉄骨や配管、バルブなどの部材を一つ一つ寸法を測っていた。高いところは手が届かないので写真から寸法を割り出す必要もあったという。

「それが、『Focus3D X 130』の導入後は、現場の作業は20カ所ほど場所を変えて計測するだけで、図面になかった部材まで、正確に3D形状を計測できるようになりました。既存プラントの場合は竣工時の図面があっても、長年の運用によって図面にはない設備が追加されていることもあるので、点群データですべてを記録しておくと安心ですね」(前川氏)。

プラントのスキャンデータ

プラントのスキャンデータ

   AutoCADとの高度な連携も選択理由に

同社では過去、5年間ほど3Dレーザースキャナーの導入について検討を重ねてきた。数ある製品の中から選んだのが「Focus3D X 130」だ。

「その理由は、FAROの点群処理ソフト『PointSense Plant』と、われわれがプラント設計で使っているオートデスクの3次元CADソフト『AutoCAD Plant 3D』のデータ連携性が優れていたからです」と前川氏は語る。

PointSense Plantで点群を3Dモデル化し、Plant 3Dに取り込むと、PointSense Plant側で付けた属性情報がそのままPlant 3Dに引き継がれるので効率的に既存プラントのモデリングができる。

さらにPlant 3Dでは同社の顧客である大手ガス会社の配管スペックがあらかじめ設定してあるので、点群になった配管をマウスでクリックするだけで、候補となる配管規格がプルダウンメニューに表示される。それを選ぶだけで、次々と既存配管の属性付き3Dモデルが出来上がっていく。

Focus3D X 130で計測した点群データをもとに作成した既存プラントの3Dモデル

Focus3D X 130で計測した点群データをもとに作成した既存プラントの3Dモデル

この3Dモデルさえできれば、アイソメ図などの図面や材料集計表は半自動的に作ることができる。

「それから、他社の製品に比べて、スキャナーがコンパクトで軽量、スタイリッシュなところも気に入っています」と言うのは、同社プラント設計部、プラント3D設計・CGグループのサブグループリーダー、佐藤浩二氏(Mr. Koji Sato)だ。

   VRやドローン測量との連携で広がるビジネス

プラントの改造や更新を行う際、これまでの平面図や側面図などでは、複雑に交錯する配管や設備を表現したり、理解したりするのが困難だった。同社の「Focus3D X 130」活用は、顧客からも好評を得ている。

「計測結果について、顧客の担当者3人に説明しようと出掛けたところ、3D計測に興味を持つ技術者などが20人くらい集まっていたこともありました」と前川氏は、顧客の関心の高さに驚いている。まさに、お客さんがお客さんを呼ぶ展開です」。

同社では山間部に建設する地熱発電所や太陽光発電所などの現況測量を、ドローンによる3D計測と「Focus3D X 130」の点群計測を組み合わせて行ったり、計測結果をVRコンテンツ化してヘッドマウントディスプレーで実物大による立体視でプレゼンテーションしたりと、3D計測ならではのビジネス展開を急ピッチで進めている。

その技術力は海外の顧客にも伝わり、ある東南アジアの国から地盤変動を3D計測する業務の依頼も入るようになってきた。「Focus3D X 130」の導入は、ユーザーの生産性向上だけでなく、ビジネスチャンスも着実に広げているようだ。

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3DスキャンデータをもとにしたVRによるプレゼンテーションも実現

3DスキャンデータをもとにしたVRによるプレゼンテーションも実現

●ポポロプラント株式会社について
1969年に創業(創業約50年)。LNG基地や各種プラントの設計から耐震/熱応力解析、工事管理などを幅広く行うプラントエンジニアリング会社。2016年から3Dレーザースキャナーやドローンを使った3次元計測業務も開始した。従業員数は50名(2017年4月現在)
〒211-0004 川崎市中原区新丸子東二丁目908番地4
Tel: 044-750-7013  Fax: 044-750-0036
URL: www.poporo.co.jp
【問い合わせ】
ファロージャパン株式会社 (FARO Japan, Inc.)
〒480-1144 愛知県長久手市熊田716
Tel: 052-890-5011 Fax:052-890-5012
Email: japan@faro.com
URL: www.faro.com/jp
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