3D CADを動かせる性能はもとより、ハードな業務を休みなく支え続ける高い耐久性や信頼性を持つモバイルワークステーション、ThinkPad Wシリーズ。このシリーズが登場以来、多くのクリエイターやビジネスパーソンから好評を得てきた。
そして、その最新モデル、ThinkPad W540では「3K」と呼ばれる2880×1620ドットの液晶を搭載可能となり、本体だけでも広い作業画面を持ち、モバイルでも本格的な作業ができるようになった。そこで、ワークステーションの代表的な用途でもあるBIMソフトウェアの活用における最新状況を取材した。
年々高まるモバイルワークステーションの需要
グラフィソフトのプロダクトマーケティング担当トロム ペーテル氏によれば、ワークステーションのモバイル利用に対する需要は年々高まっているという。セキュリティの関係で図面の持ち出しが禁止されている企業をのぞけば、打ち合わせの会議室にモバイルワークステーションが持ち込まれることが多く、もはや必需品と言ってもよいとのことだ。
実際にペーテル氏も前々モデルのThinkPad W520からモバイルワークステーションを持ち歩いており、客先で実施にArchiCADの実演をするなど活用している。
また、グラフィソフトでは、ハードウェアの認証制度を設けていないが、ThinkPad W540でのArchiCADの動作は確認済みであり、グラフィックもNVIDIA Quadro K1100MまたはNVIDIA Quadro K2100Mを搭載し、3Dの描画パフォーマンスについても問題はないという。
そして、グラフィソフトのスタッフがThinkPad W540を持ち運び、実際に訪問先でデモンストレーションを行うといった活用をしていることからも、最新のArchiCAD 17をはじめBIMの安定した動作を期待してよいだろう。
便利なドッキングステーションに対応
実際にモバイルワークステーションを活用していく上で必要なのは、本体の性能のほか、外部モニターとの接続性。3Kという高い解像度の液晶を持っていても、やはり自分のデスクに戻れば、より大きなサイズの外部モニターと接続、広い画面を存分に使った作業も必要となる。
外部モニターに加え、ネットワーク、マウスや外部キーボードをはじめ、各種周辺機器との接続も必要で、本体にそれぞれのケーブルを1本ずつ接続していくことは不便。その点ThinkPadならばドッキングステーションを用意しており、ThinkPad W540を「上に乗せるだけ」のワンタッチ着脱で各インターフェースとの接続や電源の接続が済んでしまう。
ドッキングステーションに搭載するインターフェースも十分な数が用意されており、本体に加えて複数の外部モニターを接続可能。ThinkPad W540の場合はドッキングステーションに最大3台、本体の液晶や本体のインターフェースを合わせると最大6面の画面を表示することが可能。作業画面の充実という面でもデスクトップタイプのワークステーションの代わりを十分に果たすことができるようになっている。
その一方で、持ち運びしやすいノート型のワークステーションだけに、盗難や紛失の心配もある。ThinkPad W540に対応するドッキングステーションにはロック機能があり、カギで分離を阻止。ドッキングステーションを市販のセキュリティケーブルで固定しておけば、ThinkPad本体はカギがなければ切り離しができず、盗難や紛失の恐れを大幅に軽減できる。