沖縄Vectorworks BIMユーザグループは、2014 年の「Build Live Japan Ishigaki」にたった3 ヶ月のBIM経験で参加し、審査員特別賞とコラボレーション賞を受賞した。
沖縄でのVectorworks
10数年前、コンペがたくさん開催された時に、とある事務所がいくつか取ったのをきっ かけとして、Vectorworksがアトリエ系事務所で広まった。やはり図面からプレゼンテーション作成までの機能があり、デザインツールとして評価が 高かったのではないか。それ以降、Vectorworksはデザインにとって必要不可欠となっている。
ユーザグループの発足
A&A社が開催したBIM操作体験セミナー「Vectorworks BIM CAMP」に参加し、これからBIMを本格的に勉強しなければと痛感した。興味を持っていた何人かと一緒にユーザグループという形で勉強会を始めたのが きっかけで、立ち上げたのは6月だった。
また、9月に行われる「Build Live」というイベントに参加したいという意図もあったので、どこまでできるか分からないが、ここで始めないと一生2Dしか作らないだろうという意識もあり、BIMの世界に踏み込んだ。
勉強会の開催
このグループのほとんどは、コンピューターで解析するよりも模型を作る世代なので、BIMというものの掴みどころや距離感がなかった。最初は、どの辺りから手をつければいいのか分からず、A&A社のBIMテキストを見ながら試していた。
勉強会の頻度は週1回で進めた。それぞれの知りたいことや分からないことを中心にディスカッションをし、A&AのスタッフにもSkypeで参加をしてもらいながら、それぞれに知識を蓄えていった。
Build Liveでのワークフロー
あっという間の3ヶ月が過ぎ、不安とともにBuild Liveの開催を迎えた。
メンバーそれぞれ通常業務があるので、集まれるのは夜の7時くらいからだった。10時くらいまで作業して、あとは各自戻って作業を進めていた。
Build Liveは100時間という期間であったが、実質的には40時間ほどしか使えなかったように思う。それぞれの作業場所が異なるため、Dropboxを活用して全てのファイルをメンバーが見られるように設定した。
Vectorworksのファイル共有機能を使い、個々人のファイルと、それらを統合したファイルをリンクさせ、誰かが更新すると通知が来るようになっていた。これによって、作業していることの確認と、全体の進捗状況を把握することができた。
コラボレーションにおいて、こういった機能は必要不可欠であるし、Vectorworksの柔軟な機能で実現することができた。
BIMだからといっていきなり3Dを作成したわけではなく、エスキスは手を動かしたり、2D機能を使って作業をした。こういった機能の充実がVectorworksの良さであるし、BIMツールだからといって、2D機能をおろそかにしない点が大事だと思う。
エスキスでゾーニングが決まったら、各自に担当を割り振って、そこから3D化していった。
ボリュームの段階で、SHADOWでの日影計算やThermoRenderを使った表面温度計算をしていった。シミュレーションの部分はA&A社に頼るところが多かったが、シミュレーション結果をデザインにフィードバックさせながら進めることができた。
実際のコンペ同様の慌ただしさで、間に合わないかもしれいないという焦りもあり、緊張感がとても高まった。それでも、これまでやった積み重ねをカタチにしたいという想いで、VectorworksのモデルをIFCに書き出し、プレゼンテーション資料をまとめ上げた。